現在、新型コロナウイルスの影響により、医療従事者への偏見や暴言などが増加しつつあります。患者さんからのいわれのない言葉に傷つく看護師も多く、今後はさらにこういった偏見などへの対応に追われるかもしれません。
今回は、怒りっぽい患者さんへの対応策をお伝えいたします。
まずは患者さんの怒りの原因を知る
患者さんが突然怒ったり怒鳴ったりする原因は、どこにあるのでしょうか?
大前提として、患者さんは、通院や入院により大きなストレスを抱えています。例えば、「痛みによってイライラしてしまった」「食べたいものが食べられずイライラしていた」など、怒りに発展した理由があるのです。
だからといって看護師をはじめとした医療従事者に怒りをぶつける行為はいけませんが、例えば忙しさでコミュニケーションを遮ってしまったり、ゆっくり話を聞く時間を取らず目を合わせなかったなど、看護師側も処置やケア時に不快な思いをさせてしまっていた、なんてことも考えられます。
怒りの裏側にある感情を探ってみると、関わり方のヒントが見つかるかもしれません。まずは怒りの原因をしっかりアセスメントしてみましょう。
否定せずにしっかりと話を聞き、患者さんの不安に考慮する
怒りっぽい患者さんは否定したり、こちらの言い分を伝えたりすると、余計に逆上してしまう場合があります。
まずは、なぜ怒っているのかしっかり話を聞くための環境を整えて、患者さんに寄り添いましょう。例えば、静かな落ち着いた場所に移動したり、個人情報やプライバシー保護のためにスクリーンやカーテンを用意して環境を整えます。
そして患者さんの目線の高さになるように椅子に座り、ときどきタッチングを入れながら話を聞きます。こうした姿勢をとることで、患者さん自身も本音を言いやすくなるはずです。
また、急に怒り出す人の中には、今までの不満をため込んでいる場合があります。 特に現在は新型コロナウイルスの影響で、医療機関の環境や周囲の患者さんの様子など、さまざまなことに敏感になったり不安を感じたりしている患者さんも多くいます。そういった不安がストレスとして積み重なった結果、突然怒りとして表出してしまうことがあるのです。
まずはしっかりと話を聞き、不安を受けとめましょう。患者さんの怒るポイントを把握できれば、今後は先回りして対応していけるはずです。