【質問】ミスの原因がわからない
【回答】大事なのは原因ではなく対策
何をどう気をつけるのかを明確に
インシデント・アクシデントレポートは「原因」と「対策」が対になっていることが多いため、「原因がわからなければ解決策は見つからない」と思い込んでいる方はたくさんいます。
ミスの理由がわからない場合、原因は「確認不足」「観察不足」「不注意」のケースがほとんどです。しかし、人の記憶はあいまいなところが多いぶん、「どうして確認・観察をし忘れたのか」「どうしてうっかりしたのか」を考えても明確に浮かばないことがあります。
いくら考えても根本的な原因がわからない場合、それ以上考えても時間を浪費していくだけですので、視点を切り替える必要があります。大切なのは「原因の特定」ではなく、「仮に確認・観察不足あるいは不注意が原因だとしたら、今後はどうしていくのか」ということ。
この場合、単に「気をつけよう」という漠然とした対策では、「何をどのようにするのか」が明確ではないため、ミスのことを忘れる確率が高くなる=似たようなミスをするという悪循環に陥る危険性があります。
まずは、「何を」「どのように」気をつけるのかを明らかにしたうえで、「重要事項は赤丸で囲み、必ず目に入るよう付箋を貼る」「忘れていることはないか思い出す時間をとるために1時間後にタイマーをセットする」など、最低でもひとつは「具体的な行動」につながる対策を立てる習慣をつけるようにしましょう。
システムの改善も効果的
人はミスをしたとき、どうしても「自分だけに原因がある」と思いがちですが、自分がしたミスはほかのスタッフも起こす可能性があります。
自分がミスをした経緯をたどると、システムの改善策が浮かび上がることもありますので、「同じミスを繰り返さないよう、システムに改善点があるとしたら」という視点で考えることもおすすめします。