• 2019年5月30日
  • 2021年11月15日

【看護師の悩み】職場の納得できない不思議なルール

 

【質問】職場の納得できない不思議なルール

私の働く病院では、いつから始まったかわからない謎の「ローカルルール」がいくつか存在します。その中のひとつが「新人は朝、誰よりも早く出勤して処置室の掃除やカートの物品補充、点滴の準備をする」というものです。

ただでさえ、始業時間前に出勤しないと情報収集が間に合わないのに、日勤の朝が憂うつで仕方ありませんでした。

でもそれが最近、新しい看護部長が入って看護部が変わり、制度や見えない慣習を見直してくれて「新人に押し付けるのは禁止」って病院全体に通知が出たんです!

それなのに、2~3年目の先輩から「新人にやってもらわないと上司の目が厳しいから“自主的にやっている”ことにして今までどおり続けてほしい」と言われました。いろいろな慣習に振り回されて疲れてしまいます。

若手のうちは我慢してやっていくしかないのでしょうか? こんなことってほかの職場でもありますか?(北海道在住 看護師歴2年目 21歳)

【回答】病院だけじゃない、日本の気質

「職場独自のルールあるある」は意外と多い!?

こういうケース、実はいろいろな職場にあります。病院や医療機関に限らず、一般企業でも古くからある組織には少なからずローカルルールが存在するのではないかと思います。 けれど、業務に必要な雑務は本来、従業員同士が協力し合って行うことではないでしょうか。「早く来て何かをする」としたらそれはやりたい人が自発的にやるもの。“業務時間外”にやらされてやるというのは納得がいかないことだと思います。

人は良くも悪くも、自分がされたこと・経験したことを「当たり前」「自分がこうだったから」と人にも教えがちです。それは「みんながやっているから」という古くから日本人に根づいてきた気質にも起因しています。

慣習を変えればみんな幸せ!? 不自然な流れを変えるチャンス

「いつから始まったかわからないルール」それは本当に今の職場にも必要でしょうか? なくなっても問題のない慣習なら、そのまま我慢して続けるのは誰のためにもならないはずです。なぜなら、そのひとつのルールだけを見れば新人や若手だけが我慢しているようでも、中堅は中堅、ベテランはベテランで何かしらのルールや必要以上の業務に縛られて苦しんでいる可能性があるからです。

日本には長年「長時間働くことが美学」「我慢の美徳」といった風潮が根付いていました。それが昨今、社会的に見直され「効率化」や「生産性」を意識した働き方に改善する組織が増加してきています。そして「慣習で続けてきたけど、やめても特に問題なかった」「むしろ時間に余裕ができて効率が上がった」というケースもみうけられます。

先輩の発言からは「新人に押し付けたい」というよりは「流れに逆らえない」と感じていることがうかがえます。不自然なことに慣れてしまい、それが自然になっている状態でしょう。その流れを変えることができたら、あなたの職場もあなただけでなく、みんなが働きやすくなるかもしれません。

あなたの病院で看護部や制度が変わったということは、流れを変えるチャンスが来ているのではないでしょうか。職場の中に、あなたの気持ちを聞いてくれそうな方はいませんか?? 同じ疑問を持っている方はいませんか? 新しい看護部に意見を伝えることはできませんか? 信頼できる人をみつけて、あなたが疑問に思っていることを少しずつ話してみましょう。各々が抱えている「不要な業務」「しなくてもいい我慢」が減っていけば、職場全体が意見しやすく働きやすくなっていくはずです。

昨今、働き方はあらゆる業界で見直されています。誰かが我慢をやめることは、本人だけでなく全体のためになることかもしれません。勇気がいることかもしれませんが、我慢の先にある幸せを手に入れるために、小さな一歩を踏み出してみませんか?

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