• 2017年3月24日
  • 2025年8月21日

看護におけるシーツ交換の基本|手順・コツ・留意点まで徹底解説

 

シーツ交換は看護師が日常的に行う業務の一つですが、ただ寝具を取り替えるだけの作業ではありません。患者さまの衛生環境を整えることはもちろん、褥瘡や皮膚トラブルの予防、精神的な安心感の提供にもつながります。

この記事では、シーツ交換の目的や具体的な手順、実施時の留意点など、現場で活かせる知識をわかりやすく解説します。これから看護の現場に立つ方や改めて基本を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。

看護におけるシーツ交換の目的

シーツ交換は、単なるベッドメイキングではなく、患者さまの療養生活を支える大切なケアです。看護師が行うシーツ交換には、衛生環境の維持と身体的・精神的な快適さの確保という、2つの重要な意味があります。

清潔な環境を保持する

シーツ交換の最も重要な目的は、患者さまが療養するベッド上を清潔に保ち、感染や皮膚トラブルを防ぐことです。

人の皮膚からは汗や皮脂、古い角質などが常に排出されています。長時間ベッドで過ごす患者さまの場合、これらがシーツに付着・蓄積しやすく、細菌やウイルスの繁殖を招く原因となる恐れがあります。特に免疫力が低下している方にとっては、感染症のリスクが高まる要因になるでしょう。また、湿ったシーツは皮膚を浸軟させ、褥瘡や湿疹の発生に繋がります。

こうしたリスクを物理的に取り除き、皮膚を清潔かつ乾いた状態に保つために、定期的なシーツ交換は欠かせません。シーツを交換する際には、皮膚の状態を丁寧に観察し、異常の早期発見にも努めることが大切です。

快適な療養環境を整える

シーツ交換には、患者さまの身体的な快適さを確保するという役割もあります。シワの寄ったシーツや湿った寝具は、身体に違和感を与えるだけでなく、褥瘡の原因にもなりかねません。

特に長期臥床の方や自力で体位変換が難しい患者さまにとっては、ベッド環境の良し悪しが身体状態に直結します。綺麗に整えられたシーツは肌への刺激を軽減し、安眠や安静にもつながります。

また、定期的なシーツ交換には、患者さまへの声かけや体調の観察の機会という側面もあります。快適な療養環境を整えることは、患者さまの心身の回復を支える大切なサポートになるのです。

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シーツ交換を含むベッドメイキングの手順

シーツ交換を含むベッドメイキングの手順

ここでは、臥床患者さんに対するシーツ交換の流れを紹介します。

1.必要物品を準備する

まずは、ベッドメイキングに必要な物品を用意しましょう。必要物品の例は以下のとおりです。

  • 下シーツ
  • 防水シーツ
  • タオルケット
  • 枕カバー
  • マスク
  • 手袋
  • 粘着テープ付きローラー
  • アルコールクロス など

物品が不足すると手順が中断され、患者さまの不快感や感染リスクにつながるため、確認を徹底しましょう。

2.患者さまの同意を得る

患者さまに声かけをして、これからベッドメイキングを行う旨を伝えます。患者さまの体調や希望に配慮し、可能な限り協力を得たうえで作業を始めることが大切です。

3.マスクを装着する

感染対策の基本として、マスクを着用します。患者さまにもマスクをつけてもらいましょう。

4.窓を開けて換気をする

可能であれば部屋の換気を行います。空気の入れ替えはにおいや湿気の軽減だけでなく、感染対策としても有効です。

5.使用中のシーツを引き出す

患者さまに振動がいかないよう必要最低限の高さにマットレスを持ち上げて、シーツを引き出します。はじめに患者さまの頭側から引き出し、手をすべらせながら足元に向かって引き出すのがポイントです。

6.掛け布団を取り除く

掛け布団の上にタオルケットをかけ、タオルケットの下から掛け布団を取り除きます。この際、患者さまにタオルケットを持ってもらうとスムーズです。

7.患者さまを側臥位にする

新しいシーツを敷くスペースを確保するために、患者さまを側臥位にします。患者さまが向いている側の看護師は、患者さまの背部と腰部を支えましょう。

8.使用中のシーツをベッド中央に丸める

使用中の下シーツと防水シーツをベッド中央に向かって丸めます。このとき、汚れた面が内側になるようにしましょう。そして、丸めたシーツ類を患者さまの体の下に入れ込みます。

9.マットレスパッド・マットレスを清掃する

粘着テープ付きローラーを使って、マットレスパッドを清掃します。このとき、頭側から足元に向かって、清掃するのがポイントです。マットレスパッドの下のマットレスも同様に行います。清掃が終わったら、マットレスパッドを整えます。

10.清潔な下シーツを広げて整える

清潔な下シーツをベッドの頭側に置き、足元に向かって広げます。反対側に広げるシーツは扇子折りにして、患者さまの体の下に入れ込みます。このとき、使用していたシーツの下に入れ込むようにしましょう。

そして、頭側のコーナーが三角になるように整え、シーツをマットレスの下に入れ込みます。足元に移動し、シーツのしわを伸ばしたうえで、足元のコーナーも三角になるよう処理します。最終的に側面のシーツをマットレスの下に入れ込みましょう。

防水シーツを使用する場合は、シーツの中心線にあわせて広げ、側面に垂れた部分をマットレスの下に入れ込みます。反対側に広げる部分も同じく扇子折りにして、患者さまの体の下に入れ込みます。

11.患者さまを反対側に側臥位にする

逆側のシーツの処理をするため、患者さまを側臥位にし綺麗なシーツの方に移動させます。

12.使用していたシーツを取り除く

使用していたシーツを、汚れた面が内側になるように丸めて取り除きます。反対側と同様に、マットレスパッドとマットレスを清掃します。

13.反対側にシーツを広げて整える

清潔な下シーツと防水シーツを広げ、反対側と同様に整えます。

14.患者さまの寝衣のしわを伸ばして仰臥位にする

患者さまの背中側の寝衣のしわを伸ばしたら、仰臥位に戻します。

15.清潔な掛け布団をかける

清潔な掛け布団をかけ、タオルケットを引き抜きます。

16.枕カバーを交換する

患者さまの頭を持ち上げて枕を取り除き、枕カバーを交換します。このとき、枕カバーの汚れた面が内側になるように外しましょう。新しい枕カバーをつけたら、患者さまの頭の下に戻します。

17.ベッド周囲を整理整頓する

ベッド柵を付け、ベッドの高さを調整し、ナースコールを患者さまの手の届く場所に置きます。オーバーテーブルやベッドのストッパーがしっかりとロックされているかも確認しましょう。そして、ベッド柵やオーバーテーブルといったベッド周囲をアルコールクロスで拭きます。

患者さまにマスクを外してもらい、ベッドメイキングが終わったことを伝えます。最後に患者さまの体調に変化がないかを確認しましょう。ホコリなどが落ち着いたら窓を閉めて、室温調整を行います。

18.外したシーツ類を片付ける

外したシーツ類は回収し、決められた方法で片付けます。

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シーツ交換時の留意点

シーツ交換時の留意点

シーツ交換は看護師が日常的に行うケアの一つですが、単なる作業ではありません。患者さまの感染予防や皮膚状態の維持、精神的な安心感、さらには安全な療養環境の構築に直結する重要なケアです。正しい知識と丁寧な手技を身につけることで、患者さまのQOLの向上にもつながります。

以下では、シーツ交換を行う際に意識すべき4つのポイントを紹介します。

感染予防に関する留意点

感染対策の基本は「清潔」と「不潔」の区別を徹底することです。シーツ交換時は汚染物との直接接触を防ぐため、使い捨て手袋やエプロンなどを着用します。汚れたリネンは内側に巻き込みながら扱い、空気中への飛散を最小限にとどめましょう。

また、清潔なリネンと使用済みのリネンが触れないように配置にも注意が必要です。交換が終わった後は速やかに手袋を外して廃棄し、手洗いと手指消毒を徹底しましょう。

褥瘡・皮膚トラブル予防

褥瘡予防の観点からも、シーツ交換は非常に重要です。敷いたシーツにシワやたるみがあると、摩擦や圧迫が起こりやすくなります。シーツはピンと張って整え、滑らかな肌触りになるよう意識しましょう。防水シーツやパッドは位置がずれると効果が半減するため、正確にセットします。

また、シーツ交換は褥瘡が起きやすい部位の皮膚状態を観察する絶好のタイミングです。シーツ交換をしつつ、患者さまの状態を確認しましょう。

患者さまへの配慮

シーツ交換中は、患者さまの身体的・精神的負担を軽減する配慮が欠かせません。急な動作は避け、痛みや不快感がないかの確認をしながら進めるのがポイントです。術後や疾患部位などに痛みがある患者さまには、特に細心の注意を払いましょう。

また、作業中にタオルケットを一時的にかける、室温を調整するといった細やかな対応も安心につながります。羞恥心への配慮として、露出が最小限になるよう工夫することも忘れてはいけません。

環境・準備に関する注意点

スムーズで安全なシーツ交換には、事前の準備が欠かせません。ベッド周囲を片付けて転倒のリスクを減らし、必要なリネン類は使用順にまとめて準備しておくと作業効率が上がります。

また、採光や換気にも配慮し、室内の快適さを保つ工夫も重要です。患者さまの動きに合わせてベッドの高さや角度を調整するなど、準備段階から「患者さま視点」を持つことが安全で丁寧なケアにつながります。

まとめ

シーツ交換は、患者さまの快適さと安全を守るために行う看護ケアです。清潔を保ち感染を予防するだけでなく、褥瘡や皮膚トラブルのリスクを軽減し、安心できる療養環境を整える役割も担っています。正しい知識と丁寧な実施が患者さまのQOL向上につながることを意識しながら、一つひとつの工程を実施しましょう。

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