【質問】認知症患者さんのセクハラにどう対応すべき?
しかし、何度言っても、認知症のせいで忘れてしまうのか、変わらず体に触ろうとしたり、卑わいなことを言ったりします。
何度注意をしてもどうせ忘れてしまうと思うと、イライラして仕方がありません。(福井県在住 看護師歴3年目 24歳)
【回答】セクハラが起こらない環境をチームでつくる
冗談交じりでなく、冷静に注意をする
何度も同じ相手に同じことを注意するのは、労力のかかることだと思います。ですが、「注意をしても忘れられてしまう」という理由で注意をしなくなると、触る行為に対して了承が得られたと受け取られてしまう恐れがあります。
それは、自分に対するセクハラを助長するだけでなく、他のスタッフに対するセクハラの被害を拡大させてしまうことにつながりかねません。労力のかかることでも、これまで通り、セクハラをされた都度注意をするようにしてください。
また、注意をするときはやんわり伝えたり冗談交じりで伝えたりするのではなく、冷静に断ることが大切です。断るだけでは改善されない場合は、「ご家族に報告します」「私の父は警察官なので、同じことを続けるようでしたら父に相談します」などのように、第三者の名前を出すことが功を奏する場合もあります。
できるだけ複数人でケアを
セクハラが起こらないような環境づくりも大切です。ケアをする際は一対一ではなく、複数人で対応するようにし、ほかの看護師からの監視の目を強化してもらいましょう。
また、相手が認知症の患者さんだから、と大目に見てしまうこともあるかもしれません。「すぐに忘れてしまうし、病気だから……」などと相手に理解を示すことも大事ですが、だからといって、職員がひとりで悩みを抱えて我慢をする必要はありません。
あまりにも我慢をしすぎると、身体的・精神的苦痛を常にかかえながら働くことになりかねず、最悪の場合、患者さんへの暴力行為につながらないとも言いきれません。
セクハラへの対策は職員の協力が必要なことも往々にしてあります。困った出来事があれば、自分ひとりで解決しようとせず、早い段階できちんと上司に報告・相談をしましょう。
また、もしも女性職員全員にではなく、あなたが個人的にセクハラをされている場合は、担当を変えてもらえるよう、上司に相談することをおすすめします。
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