
精神科で5年以上勤務しています。以前の記事(2019年11月6日付)で、「特例措置として、大学・大学院を出ていなくても、5年以上の実務経験を積み、『現任者講習会』を修了することによって、公認心理師試験資格の受験資格を得られる可能性があります」との説明がありましたが、精神科勤務でも経験さえあれば公認心理師の受験資格を得られるのでしょうか?
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東京都在住 看護師歴7年目 30歳
精神科で5年以上勤務しています。以前の記事(2019年11月6日付)で、「特例措置として、大学・大学院を出ていなくても、5年以上の実務経験を積み、『現任者講習会』を修了することによって、公認心理師試験資格の受験資格を得られる可能性があります」との説明がありましたが、精神科勤務でも経験さえあれば公認心理師の受験資格を得られるのでしょうか?
受験資格を得る方法の1つに、【特定機関で実務経験5年以上→講習の受講→受験資格】という流れがあり、看護師が公認心理師になる場合は、この方法で受験資格を得ることになります。
ただし、これ自体が特例措置であり、2022年9月までの5年間限定の方法です。また、「現行者」として「現行者講習会」を終了すれば、公認心理師試験の受験資格を得られる可能性はありますが、受験資格取得の条件として下記事項も満たしていなければなりません。
①文部科学省や厚生労働省で定める施設で働いていた
②下に挙げる公認心理師業務の(1)~(3)を行っていた
③実務経験が5年以上ある、もしくは今後5年以内に5年以上の実務経験がある
まずは、自身の経歴がこの条件を満たしているかを確認しましょう。
では、上記の条件とご質問者さまの状況を照らし合わせてみます。
①について
具体的な施設の枠組みは省きますが、精神科での看護師経験があるので、該当する可能性が高いです。
②について
精神科での勤務経験があるということなので、業務内容に上記(1)〜(3)が含まれる可能性は高いでしょう。補足しておくと、心理的サポートなどを看護の一環として行っている場合や、ソーシャルワーカー・行政との連携などもここに含まれます。さらに、診察前のインテーク面接で行うご家族あるいはキーパーソンへの支援内容説明、関係機関でのサポートの助言なども、公認心理師の業務に含まれる可能性が高いです。
もちろん、それらすべてが上記の内容に当てはまるとは言い切れませんが、業務内容証明書を発行してもらう際、上記業務を行っていた旨を記入してもらえば、現行者として認められる可能性は高いといえます。
③について
公認心理師の業務を5年以上経験していることが必要になりますが、ご質問者さまの経歴で、①②を満たしていれば問題ないでしょう。
なお、受験の際には業務内容証明書が必要になるので、上司や施設長への相談も必須です。また、受験申し込み後に条件を満たしていないことが発覚すると、申し込みが受理されない場合もあるので、現行者研修を受ける前に、「自分に受験資格があるのか?」をきちんと確認するようにしてください。受験資格の有無がわからない場合は、「日本心理研修センター」や「厚生労働省」へ問い合わせてみましょう。
特例措置は2022年9月まで利用することができます。今年度の臨床心理師試験はすでに終了しているので、来年度の試験に向けて、今から準備を進めてみてはいかがでしょうか。
<参照元>
一般財団法人 日本心理研修センター
一般財団法人 日本心理研修センター「公認心理師とは」
厚生労働省「公認心理師」
松浦典子(まつうら のりこ)
大学保健室に勤務する看護師。大学病院外科病棟 (頭頸部外科、泌尿器科) にて勤務後、養護助教諭として公立高校に勤める。その後病院看護師(透析室)として復帰ののち、現職にいたる。現在は、保健室看護師として、応急処置や健康相談活動、障害支援のサポートなどに尽力している
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