• 2019年9月24日
  • 2021年11月15日

【看護師の悩み】こんなとき、点滴の針は変えるべきですか?

 

【質問】こんなとき、点滴の針は変えるべきですか?

夜勤でラウンドをしていると、ときどき、点滴のため挿入した留置針の内筒が抜けかかった患者さんがいます。完全に抜けているわけではないので、そのままゆっくりと再挿入すれば、すんなりと入ることもあります。こんなとき、針は新しいものに変えるべきでしょうか?

今までもこの方法で対応したことは何回かありますが、これまで患者さんに明らかな影響はなかったです。本当は新しく挿入をすればいいのだと思いますが、忙しいときは難しいし、患者さんに苦痛を与えてしまうので、正直、やりたくありません……。(埼玉県 看護師歴3年目 24歳)

【回答】マニュアル順守で

基本に立ち返って

清潔は大別すると「清潔」「準清潔」がありますが、特に採血や注射、点滴など、血管内や皮下組織など患者さんの体内に入るものは無菌操作法が原則です。内筒が抜けかかっている場合も、血管内から一度出てしまっているので、厳密には新しく刺し直すことが望ましいといえます。

しかし、ずれや破損の有無・程度などテープの状態にもよりますが、滅菌フィルムドレッシングにて刺入部が保護されている場合はこの限りではありません。また、疾患や全身状態、易感染性の患者さんなど、個々の状態によっても変わってくるため一概にはいえません。まずは、職場の感染対策マニュアルもしくは感染対策委員会に確認することをおすすめします。

リスク管理の意識を

細菌やウイルスなどの微生物は目に見えないぶん、どこからどのように体内に侵入するかわからないため、日頃から患者の全身状態には細心の注意を払い、観察する必要があります。点滴刺入部の発赤や熱感・腫脹・圧痛や分泌物の有無、あるいは発熱の有無など、状態観察を日々怠らないようにしましょう

また、「今まで大丈夫だったから、これからも大丈夫」という考えは何の根拠もないだけでなく、患者さんの生命を危険にさらします。「きっと、これぐらいなら大丈夫だろう」という曖昧さを減らすためにも、リスク管理の意識を高め、疑問点は専門分野のエキスパートに確認する習慣をつけることをおすすめします。

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