
この前の夜勤で患者さんが「同室者のいびきがうるさくて眠れない」と言ってきました。相方の先輩は休憩中。3~4時間で朝がくるので、もう少しだけ我慢するよう伝えると納得してくれたのですが、後日、師長から「患者さんが『何もしてくれなかった』と憤慨していた」とお叱りを受けました。笑っていたからてっきり納得してくれたと思っていたのに……。
新人ナースの悩み
石川県在住 看護師歴2年目 23歳
この前の夜勤で患者さんが「同室者のいびきがうるさくて眠れない」と言ってきました。相方の先輩は休憩中。3~4時間で朝がくるので、もう少しだけ我慢するよう伝えると納得してくれたのですが、後日、師長から「患者さんが『何もしてくれなかった』と憤慨していた」とお叱りを受けました。笑っていたからてっきり納得してくれたと思っていたのに……。
患者さんの思いには必ず「その考えに至るまでの背景」があるため、「なぜ、その発言に至ったのか」を推測することで善処しやすくなります。騒音の問題は安全の欲求が侵害され、不眠による身体的苦痛だけでなく深刻な心理的苦痛をもたらします。入院生活によるストレスの蓄積も考えると、日ごろからさまざまなことを我慢している可能性があることを考慮する必要があったといえます。
今回の場合は単に「つらさをわかってほしい」というだけでなく、「何らかの策を講じてほしかった」という思いがあったことが推測できます。
人は「思いを受け止めてくれる環境」と「自分のためにできるかぎりのことをしてくれた実感」があれば、たとえ、問題の根本・原因を解決できなかったとしても納得することが多いです。
今後は「どうやったら解決するか」だけでなく、「どのように対応すれば納得してもらえるか」という視点も含め考えて対応するといいでしょう。
具体的な解決策の案が少なければ少ないほど選択肢が狭まるため、その人にあった解決方法を提示することは困難になります。今回のケースの場合、「我慢をしてもらう」という解決策だけでなく、
\さまざまな解決方法を考えてみよう/
・傾聴・共感をする
・可能であれば、一時的に別室で入眠できるかどうかを検討する
・翌日以降、睡眠薬の内服が可能かどうかを検討する
・不眠が続くようであれば、部屋移動も検討する
・耳栓の購入を提案する
・看護師長に相談する
・先輩の休憩後に、状況報告を行い、よりよい解決方法はないか確認する
など、さまざまな方法を洗い出したうえで、必要に応じて患者さんに相談・提案をしましょう。
患者さんにとって必要な看護を提供していくためには、「出来事から何を学び、どのように解決策の選択肢を増やしていくか」が大切です。
ぜひ、今後も「さまざまな解決方法」を考える習慣を身につけることをおすすめします。
坂口 千絵(さかぐち ちえ)
看護師、教育・指導サポート歴25年以上。コーチング、カウンセングなどの個人セッション実績豊富。2019年、「サポート職に携わる人のサポートに徹する」ことを決断し、25年間の看護師人生に幕を下ろす。
家族の死、最愛の夫の病死を通じ、死生観について学んだ経験をもとに、魂の望みを叶えながら、周りの人の幸せもしっかりとサポートしたい人に向け、オンライン講座を提供。セッションは「とにかく話しやすい」「具体的でわかりやすい」と好評。
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