• 2018年12月21日
  • 2022年5月12日

【看護師の悩み】大きな失敗が頭から離れず、立ち直れない

 

【質問】大きな失敗が頭から離れず、立ち直れない

先日、私の確認ミスで大きな失敗をしてしまいました。幸い命にかかわるものではありませんでしたが、インシデントとして病棟カンファレンスでも話題になりました。その後も朝礼で毎朝事例として読み上げられています。自分の事例が読み上げられるたびに「この場から消えたい!」とつらい気持ちでいっぱいです。

失敗をした日一緒に勤務していた先輩にものすごく迷惑をかけてしまい、そのときのことを度々思い出して凹んでしまいます。やっと仕事に慣れてきたと思ったのに、最近また失敗が続くようになりました。先輩方に迷惑をかけっぱなしで申し訳なく、仕事に対して前向きになれなくなってしまいました。どうしたら上手に気持ちを切り替えられますか?総合病院勤務 看護師歴1年目 22歳)

【回答】失敗ではなく「うまくいく」ことに意識を向けよう

ミスは誰もが経験する可能性がある

消えてしまいたいほどのつらさ、ひしひしと伝わってきます。
まずお伝えしたいのは、ありきたりな言葉ですがその経験は「必ず誰もが通る道」だということ。人の命にかかわる仕事である以上、「仕方ないよね」で済ませられる失敗ではないとも思います。ですが、起こってしまった事実は変えることができません。

過去の事実をいつまでも引きずっていると「失敗したときの記憶」「失敗しそうなイメージ」が頭から離れなくなり、さらに失敗しやすい状況がつくられてしまいます。そして実際にうまくいかないことが起こることで、さらに気持ちは落ち込んでいきます。そうなると常に出来事の悪い面ばかりに目がいき、何が起こっても「〇〇ができていなかった」「本当に自分はダメだ」と負の連鎖に陥ってしまいます。

1年目のあなたが失敗をするのは、当たり前のことです。そして病院が人とかかわる場所である以上、絶対に失敗しない対応、完璧な対応はできません。あなたのそのミスは1年目でも何十年目でも、誰でも遭遇する可能性のあること。似たような経験をして、つらい思いを味わった人はあなただけではありません。

「最悪の過去」から「未来への希望」に思考をチェンジ!

脳心理学の話によると、私たちの脳は何か問いかけをすると「答えを探す」ように作られているそうです。そのため「どうしてうまくいかないんだろう?」と考えていると、【うまくいかない理由】を脳は探し始めます。自分の脳に「検索」をかけているようなものだと考えると、イメージしやすいかもしれません。

「看護師 辛い」「看護師 辞めたい」などと普段から考えていると、まずますつらい事実や辞めたくなる理由を探してしまいます。つらいエピソードにアクセスすればするほど、履歴が強化されていく……という悪循環が定着します。

反対に「あのとき、どうしたらうまくいっただろう?」と問いかけると【うまくいくための方法】の脳内検索が始まります。すると過去にうまくいったエピソードや、うまくいきそうなイメージが徐々に浮かんでくるようになります。

うまくいったエピソードに何度も心の中でアクセスするとポジティブな履歴が強化され、同じ出来事を思い出すときでもフォーカスする「視点の多さ」「視野の広さ」「見る角度」が変わります。そうして「こうすれば良かったのかも」「次は○○してみよう」と考えられるようになり、「過去」のつらい出来事は「未来」に活かす道筋へと変化していきます

過去と未来は実体のない、頭の中でつくられた世界です。その世界はいつでも自分次第で書き換えることができます。

デキる人には今すぐなれなくても、視点を変えることや視野を広げることは今からできます。ほんの少しの「思考チェンジ」をして、つらい出来事に縛られている自分から、自分自身を救える自分になっていきましょう。

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