
この前、先輩看護師に、「どうして、バルーンカテーテルの固定をしていないの?」と注意されました。前にいた病院では、自己抜去の危険がある患者さんは固定をしていましたが、寝たきりで動けず、意識のない患者さんには固定していないこともありました。いったい、何が正しいのでしょうか?
看護・ケア
和歌山県在住 看護師歴7年目 34歳
この前、先輩看護師に、「どうして、バルーンカテーテルの固定をしていないの?」と注意されました。前にいた病院では、自己抜去の危険がある患者さんは固定をしていましたが、寝たきりで動けず、意識のない患者さんには固定していないこともありました。いったい、何が正しいのでしょうか?
膀胱留置カテーテル(バルーンカテーテル)を固定することは、自己抜去の防止だけではなく、カテーテルの屈曲や自然抜去の防止など、さまざまな目的があります。固定をしていないと、体位変換を行う際に不注意でカテーテルが引っ張られ、尿道に負荷がかかることがあるのです。
しかし、皮膚が弱い患者さんの場合は、発赤や表皮剥離を起こしてしまうことも少なくありません。固定位置を変える・テープの種類を変えるなどの工夫をしても状態が改善されないことも。そのため、実際の現場では、患者さんの状況に応じて臨機応変に対応しているようすが見受けられます。ただ、基本的には固定をするのが前提であると考えていいでしょう。
看護行為の正しさを明確にするための指標のひとつに「エビデンス(科学的根拠)」がありますが、すべての看護行為にエビデンスが存在しているわけではありません。また、「前の病院ではこうしていたから」という意見のしかたでは、根本的な解決にはつながらないもの。看護は「基本的な知識」をおさえたうえで、患者さん一人ひとりに合わせて応用することも大切です。
このことをきっかけに、自分の看護行為が果たして適切なのかどうかを常に振り返り、意義や根拠を確認する姿勢を身につけていけるといいですね。
坂口 千絵(さかぐち ちえ)
看護師歴20年。新人教育のリーダーとして数多くの新人を育てた経験をもとに、カウンセリング、コーチングなど、さまざまな資格を活かして看護師さんの悩みに寄り添い、問題解決へと導く個人セッションを行っている。コーチング、カウンセリングの枠にとらわれない、「相手の思いを否定せず、ひとりでは考えつかない解決方法の提案」がクライアントから好評を博す。
HP:http://infinity-space.jimdo.com/
ブログ:http://ameblo.jp/counselor-chisa/
仕事・恋愛・育児・復職・美容・心の悩みなど、あなたの悩みを投稿しませんか?
もしかしたら、スペシャリストが答えてくれるかも?!