• 2017年12月12日
  • 2022年5月13日

気道吸引時のマナー

 

気道吸引は、肺炎予防や気道確保などを目的とした重要な看護技術のひとつですが、症状によっては行う頻度が高いぶん、侵襲度も高くなるため慎重な対応が求められます。今回は、気道吸引時にとくに注意したいことについてお伝えします。

できるだけ短時間で行う

痰などの分泌物が気道や気管内に多く存在している場合、患者さんの苦痛を最小限にしようと、一回で吸引を終わらせようとしがちです。しかし、吸引時間が長ければ長いほど、呼吸困難や頻脈、血圧上昇などを引き起こしやすくなります。 吸引は、できるだけ一回当たり10~15秒以内で済ませるようにし、十分に取り切れない場合は数回に分けて行いましょう。

出血や嘔吐に注意する

気道や気管内でチューブを往復させたり、陰圧をかけたままの状態で同一部位を吸引したりすることは避けましょう。吸引チューブの刺激により、鼻腔もしくは口腔粘膜から出血する危険性があります。静かに挿入・抜去することを心がけてください。 また、嘔吐することもあるため、基本的に食後の吸引は避け、吸引時に口蓋垂を刺激しないなどの配慮を行いましょう。
吸引は時間ごとに行うという考え方ではなく、本当に吸引が必要なのかをその都度アセスメントし、実施することが大切です。十分な観察を行い、安全・安楽な吸引を行いましょう。

文:看護師/カウンセラー 坂口千絵

■関連記事

お一人で悩まず、看護師専任の
キャリアアドバイザーに相談してみませんか?

著者プロフィール