• 2021年3月26日
  • 2021年11月15日

退職を円満にする「5つのステップ」

 

看護師の職場の多くは慢性的な人手不足。そのため、退職するときに苦労した経験がある方も多いようです。今回は、職場に残るスタッフにできるだけ迷惑をかけず、円満に退職するための段取り(5つのステップ)をご紹介します。「退職を考えたとき、疑問に感じやすいこと」についても、Q&A方式で解説していきますので、この機会に解消しておきましょう。

1.退職の意志を伝える

退職を決めたら、まずは「就業規則」をチェックしてください。「退職日の1ヵ月前までに申し出る」のが一般的ですが、職場によっては「2ヵ月前」や「3ヵ月前」としている可能性もあるので、しっかり確認しておきましょう(法律上は14日前まで)。

【Q】退職は誰に、いつ伝えればいいの?

【A】まずは直属の上司(看護師長、主任など)に伝えましょう。すでに転職先が決まっている場合や、退職交渉の難航が予想される場合は、規定にかかわらずできるだけ早めに伝えましょう。

2.退職日を調整する

業務の引き継ぎにかかる時間や人員計画などをふまえて、上司と調整しながら決めます。退職を引き延ばされたり、引き留められたりしないように、退職希望日ははっきりと伝えるようにしましょう。

【Q】有給休暇が残っている場合は?

【A】有給「消化」の希望があればしっかりと伝えましょう。未消化分の有給「買取」は退職時の場合のみ認められていますが、義務ではないため、可能かどうかを「就業規則」で確かめてみてください。

【Q】退職のあいさつは誰に、いつすればいいの?

【A】「親しい同僚や先輩」へのあいさつは公になる前。「院長や看護部長」といった多忙な方たちへのあいさつは、直属の上司にタイミングを確認するのがいいでしょう。「患者さん」や「取引先」へのあいさつについても、同様に確認してください。「在籍部署の同僚」には、一斉にあいさつできる機会をもらうようにしましょう。

3.退職届を提出する

職場の規定に従って「退職届」を提出します。

【Q】「退職届」「退職願」「辞表」はどう違うの?

【A】「退職届」というのは、退職確定後に届け出るための書類のこと。「退職願」とは、その名のとおり退職を願い出るための書類です。また「辞表」とは、社長や取締役などが役職の辞任を届け出るための書類をさします。

4.業務を引き継ぐ

自分が担当している業務を、他のスタッフに引き継ぎます。その際は、迷惑をかけずに引き継いでもらえるような心配りも大切です。

【Q】引き継ぎのときに、気をつけるべきポイントは?

【A】ここでは、おさえておきたいポイントを5つあげておきます。

1.通常業務に加えての引き継ぎ作業になることを考慮して、スケジュールは余裕を持って組みましょう。

2.引き継ぎで残業が必要になるような場合は早めに上司に相談しましょう。

3.口頭で説明するだけではなく、できるだけ「引継書」などの「文書」にして残しましょう(文書化は時間がかかるので、普段から行っておくことをおすすめします)。

4.「関係各所の連絡先や担当者」、あるいは「どこに何があるか(現物、データ)」も忘れずに引き継ぎましょう。

5.相手の立場や気持ちを考えて、「引き継いでもらう」ことへの感謝を忘れないようにすることが大切です。「大丈夫です。あとは任せてください」と言ってもらえるような、ていねいな引き継ぎをめざしましょう。

5.退職

いよいよ退職日当日。もし、あいさつがまだの人がいたら、忘れずに行いましょう。

【Q】貸与物はいつ返却すればいいの?

【A】社員証や健康保険証のほか、名刺や制服・制靴などの貸与物があれば、退職日にまとめて返却します。制服をクリーニングに出してから返却する場合は後日になりますので、事前に必要かどうか確認しておきましょう。

初めて退職する場合は、どういう段取りで退職を進めるのかわからずとまどうことも多いかと思います。なるべくスムーズに退職できるように、今回ご紹介した内容を参考にしてくださいね。

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