食事介助は、食事をただ口に運ぶだけではなく、患者さんが必要な栄養素を摂取し、安全に食事ができるようアセスメントしていく必要があります。今回は食事介助のポイントについてお伝えします。
食事介助の前にやるべきこと
患者さんに食事の献立を説明し、あらかじめ食べやすい大きさに切り分けます。サラダにはドレッシングをかけておくなど、患者さんが自力で行えない部分を事前に準備しておきましょう。
嚥下機能が低下して、とろみ調整食品を提供する患者さんには、患者さん一人ひとりの嚥下機能の状態に合わせて、とろみの量を調整します。
介助の際はベッドサイドに座り、患者さんと同じ目線で行います。看護師が立ったままの姿勢は患者さんに威圧感を与えてしまうので、目線を合わせて行うことを意識しましょう。また、食事の前にお茶や汁物で口腔内を湿潤させておくと、スムーズに嚥下を行うことができます。
食事介助時のポイント
食事は一方的に口に運ぶのではなく、「今日の食事は〇〇ですよ」など、何を食べているのか患者さんがわかるように説明し、見てもらいながら進めましょう。
食事介助には全介助、一部介助、見守りがあります。
全介助が必要な場合、食事は一口大を適量にすくい、舌中央にスプーンが乗るように真っすぐ入れます。口を閉じたら、スプーンを斜め上にしてゆっくり引きます。箸を使用する場合は、真っすぐ入れて口を閉じてもらい、そのまま引きます。患者さんの咀嚼、嚥下状態を観察し、飲み込むまでの時間、むせの有無、姿勢に注意しましょう。次の一口を運ぶ際は、口腔内に食べ物が残っていないことを確認してから進めます。
一部介助の場合は、食べやすい大きさに切り、スプーンに一口量をすくい手渡しを行ったり、手を添えたりするなど、患者さんができない部分を補助します。
食事の順番は患者さんの希望を聞きながら行い、主菜、副菜を交互にバランスよく摂取できるようにしましょう。
食後の注意
食後は患者さんの摂取量を確認し、下膳します。食後すぐに臥位になると食事の逆流によって誤嚥や窒息を起こしてしまう可能性があるため、食後30分から1時間は横にならないように声かけを行いましょう。
■関連記事