復職時、不安に感じた看護現場のギャップ「昔と今でこんなに違うなんて!」
第38回目

復職を決意し、いざ現場へ……。そこで待ち受けていたのは、過去の自分の経験とは比べ物にならないほどの医療技術の進歩。もしくはその逆!? 新生活を迎える4月。子どもの入学と同時に復職をした方や、復職を考え始めた方もいるのではないでしょうか。今回は、ブランクを経て復職した私自身が感じた、過去とのギャップをご紹介します。
復職で過去にタイムスリップ!?
私の復職先は以前働いていた職場ではなく、新しい職場への転職でした。子育てのため4年間のブランクがあり、「医療技術の進歩についていけるのか」など、復職前はとにかく新しいことに対する不安や心配事が尽きませんでした。しかし、いざ復職をしてみると、その不安は驚きと戸惑いに変わっていました。なぜなら、復職した職場は過去にでもタイムスリップしたかのような、古い設備の職場だったからです。
復職前は、時代の流れから働き方や制度が変わり、さまざまな物品や器械は使いやすくさらにコンパクトに……という大きな技術の進歩や変化を想像していました。しかし、目の前にあるのは紙カルテや、ディスポーザブルがある時代に滅菌しながら使用する注射針……。看護学校卒業後、電子カルテのある職場からスタートした私にとっては、学生時代に机上で学んだだけの知識や技術です。これらを習得しなければならず、何とも言えない気持ちになったことを今でも覚えています。
なかでもシリンジでの採血は、緊張のあまり身体に拒否反応が出るほどでした。以前の職場では真空管を使用していましたが、シリンジを用いた採血は復職先が初めて。そのうえ業務自体にブランクがあるので、シリンジを持つだけでも手が震えてしまうような状態でした。シリンジのキャップを外すと震えはより大きくなり、「落ち着け、落ち着け」と何度も頭のなかで言い聞かせながら、震えを止めようと必死になることも……。ですが、どちらにせよブランクがあるので、真空管の注射でも同じ状態になったかもしれないとも思います。ブランクの長さよりも、また一から積み重ねていく気持ちや姿勢が大切だと感じました。
ギャップのおかげでどこでも働ける!?
まさかブランク後の復職先で、過去の医療環境に戻るとは思いませんでしたが、働く職場によって違いがあることを学べたのはいい経験になりました。それと同時に、「どんな環境に行っても大丈夫」という自信にもつながったと感じています。
ただ、私の復職時期は5月だったため、4月に入職した新人看護師とのズレが生じ、一緒に指導を受けることができませんでした。そのため、なにか処置や検査があるたびに必死に追いかけて見学させてもらったり、声をかけてもらったりと、バタバタとした毎日が続きました。急な復職の場合、病院でプリセプターの確保が難しく、指導者がその都度変わったり、いなかったりすることもあると念頭に置いた方がいいでしょう。
復職のタイミングは迷うものですが、ブランクがあるからこそ、新人看護師に混ざりながら一緒に指導や研修を受けられるのはメリットともいえます。研修期間や内容は職場ごとに異なりますので、まずは復職を検討している施設や、復職先に問い合わせてみてくださいね。

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看護師ライター