• 2019年3月1日
  • 2021年11月16日

処置の説明に納得してくれない患者さんへの対応

 

治療に必要な処置であっても、実際に処置を受ける患者さんは不安を感じるものです。説明をしても、なかなか患者さんに納得してもらえないこともあるかと思います。今回は、そのようなときの対応方法についてご紹介します。

疑問や不安を具体的に聞き取る

処置を受けることが治療に必要だと頭ではわかっていても、感情が受けつけない場合もあります。痛みに対する恐怖や、初めての経験に対する不安、あるいは治療費がかさむことへの心配や処置をする医者や看護師への恐怖など、患者さんが納得しない理由はさまざまなものが考えられます。

そのため、まずは具体的にどのような疑問や不安があるのかを聞き取りましょう。また、患者さんが疑問や不安を話したら「大丈夫ですよ」と即答するのではなく、「そう感じるのも無理はありませんよね」「そう思うのはもっともです」など、患者さんの思いに共感するよう心がけてください。

具体的な対応を伝える

共感的な態度で接したあとは、不安や疑問の解消につとめます。例えば下記のように、具体的にどんな対応をするのか事前に患者さんに提案すると良いでしょう。

痛みに対する恐怖や初めての経験に対する不安への対応例
・そばに付き添うことを伝える
・つらさや恐怖を表に出しても良いことを伝える
・処置が短時間で済むよう施行者に伝える約束をする
・処置後に痛みが出た場合は速やかに対応するので我慢しないように伝える 

治療費がかさむことに対する不安への対応例
・高額療養費制度を受けているかの確認
・不必要な処置はしていないことの説明 

医者や看護師に対する恐怖への対応例
・医師が怖い場合は、看護師がそばについてサポートすることを伝える
・特定の看護師が怖い場合は、担当を変えてもらえるか確認することを提案する 

患者さんを無理に説得しようとすると、相手は「押し付け」や「圧力」を感じ、ますます抵抗が強くなる場合があります。患者さんの気持ちを受け止め、疑問や不安を解消する働きかけを意識して接しましょう。

文:看護師/カウンセラー 坂口千絵

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