身体的・精神的苦痛が予測されるにもかかわらず、「大丈夫」と言って何も思いをいわない患者さんの思いを引き出す方法についてご紹介します。
意図的に話す時間を設ける
もともと口数が少ない、あるいは口下手な患者さんもいますが、看護師に対し、「忙しそうだから……」と遠慮をしている患者さんも少なくありません。しかし、どの場合も、話す時間を設けることで相手の思いを引き出せる可能性は高くなります。あらかじめ、「この患者さんには10分、時間を設ける」などと時間を決め、椅子に座って腰を据えて接するとよいでしょう。その際、「○○さんが、いまの状況をどのように感じているか、差し支えがなければぜひ、お聞きしたいと思って伺いました。10分ほど時間があるので、率直な思いをお聞かせ願えないでしょうか」などのように「目的」「所要時間」を明確にして伝えると会話がしやすくなります。
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拡大質問を上手に使う
「大丈夫ですか?」など、「はい」か「いいえ」で答えられる質問は、会話がすぐに終わりやすくなります。「どのように感じていらっしゃいますか?」「どんな不安がありますか?」といった質問の仕方を心がけ、会話を広げるような関わり方を意識しましょう。 患者さんが思いを打ち明けてくれたら、否定をせずに受け止め、打ち明けてくれたことに対する感謝の気持ちを述べるようにしてくださいね。
文:看護師/カウンセラー 坂口千絵