先輩として後輩にアドバイスをする際には、気をつけたいコミュニケーションのポイントがあります。その内容についてご紹介します。
一方的なアドバイスはしない
アドバイスの目的は、あくまでも相手が行動しやすくするためのものであり、必ずしも解決策を提示しなければいけないわけではありません。また、自分にとってうまくいった方法が、相手にとっても得策であるとは限らないことを理解しましょう。相手の話を聞くことに徹したうえで、傾聴だけでいいのか、意見を求めているのかを見極め、必要であれば意見を言うように心がけてください。「相手の思い:自分の意見=9:1」の割合を意識するとバランスの取れたよいアドバイスになるでしょう。
改善の強要をしない
アドバイスはあくまでも、相手をサポートするためのものであり、改善を強要するためのものではありません。「せっかくアドバイスをしたのに、改善されていない……」「どうして、アドバイス通りにしないんだろう?」と疑問をもつこともあるかもしれませんが、アドバイスを受け入れるか受け入れないかの選択権は相手側にあることを理解しましょう。
アドバイスをするときは、相手の役に立つことをいわなければならないと考えがちですが、相手は必ずしも解決策を求めているわけではありません。単に話を聞いてもらいたいだけの場合もありますので、助言ではなく傾聴を主体にするよう、意識しましょう。
文:看護師/カウンセラー 坂口千絵