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[総論]なぜ、いま術後回復の考え方が大切?

第2回

『エキスパートナース』2015年12月号<術後のつらさを改善する【10項目】 ナースができる! ERAS®(イーラス)術後回復能力 強化プロトコル>より抜粋。第2回の【[総論]なぜ、いま術後回復の考え方が大切?】では、ERAS®を行いたい3つの理由の中から「だからいまERAS®①」についてご紹介いたします。

編集:立石 渉
(東京女子医科大学東医療センター 心臓血管外科 助教、NST)

だからいまERAS®
① ERAS®が始まって10年。効果が実証され、エビデンスも集約されてきている

まず図1(引用文献2)を見てください。当科において2008年から2011年に腹部大動脈開腹手術に対してERAS®(enhanced recovery aftersurgery、術後回復能力強化プロトコル)管理を行った結果です。このわれわれの結果は、ERAS®を行うことで「術後早期の食事開始」「在院日数の短縮」「医療費の削減」が達成されていることを示しています。

ERAS®は従来のような「術後安静」「絶食」「輸液投与継続」などが行われた管理をやめ、後述するようなさまざまな管理・介入を行い、早期回復を図るものとして2005年にヨーロッパ臨床栄養・代謝学会(ESPEN)から発表された集学的術後回復プログラムで、今年で10年が経過します(引用文献1)。

本邦では2006年ごろから少しずつ発表されるようになり(引用文献3)、現在では消化器外科領域では学会等でも大きく取り上げられるようになって、かなり認知度が上がってきている印象があります。そしてこの10年でさまざまな報告がされ、ガイドラインの作成や(引用文献4,5)、有効性・問題点などが論議されている状況です。

図1 ERAS®導入による改善効果

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Illustration:Hyuga Ishikawa


[引用文献]
1.Fearon KC,Ljungqvist O,Von Meyenfeldt M,et al.:Enhanced recovery a f t e r s u r g e r y:A consensus r e v i e w o f c l i n i c a l c a r e f o r p a t i e n t s undergoing colonic resection.Clin Nutr 2005;24(3):466-477.
2.Tatsuishi W,Kohri T,Kodera K,et a l .:Usefulness o f an enhanced recovery after surgery protocol for perioperative management following open repair of an abdominal aortic aneurysm.Surg Today 2012;42(12):1195-1200.
3.郡隆之,戸丸悟志,新行内健一,他:消化管手術症例におけるERAS(enhanced recovery after surgery)プロトコルのpilot study.静脈経腸栄養 2006;21増刊号:102.
4.G u s t a f s s o n UO,S c o t t MJ,Schwenk W,e t a l .:G u i d e l i n e s f o r perioperative care in elective colonic surgery:Enhanced Recovery After Surgery(ERAS®)Society recommendations.Clin Nutr 2012;31(6):783-800.
5.Nygren J,Thacker J,Carli F,et al.:Enhanced Recovery After Surgery Society:Guidelines for perioperative care in elective rectal/pelvic s u r g e r y : E n h a n c e d R e c o v e r y A f t e r S u r g e r y(ERAS®)S o c i e t y recommendations. Clin Nutr 2012;31(6):801-816.

[PROFILE]

立石 渉(たついし・わたる)

東京女子医科大学東医療センター 心臓血管外科 助教、NST

2006年群馬大学医学部卒業。利根中央病院勤務(研修医)の際にERAS®を学び、その知識を生かして東京女子医科大学東医療センター心臓血管外科でERAS®を導入。群馬県立心臓血管センターなどを経て2013年より現職。心臓血管外科医としては数少ないJSPEN(日本静脈経腸栄養学会)認定医。

本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。/著作権所有©2015照林社
[出典]エキスパートナース2015年12月号

P.68~「術後のつらさを改善する【10項目】 ナースができる! ERAS®(イーラス)術後回復能力 強化プロトコル」


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