vol.37
がん細胞を分離・回収する装置開発

愛知県がんセンター愛知病院や名古屋大学などの研究グループは、血液中のがん細胞を生きた状態のまま分離・回収することが可能な装置の開発に成功したことを発表しました。
この装置は血液中の赤血球、血小板などと、がん細胞のサイズが異なることに着目したもので、極小の凹凸があるシリコーンゴム製のチップに血液を流し、界面張力を利用してがん細胞のみを分離・回収する仕組み。また、この装置を使用した検査では5ml程度の採血で済み、患者の負担軽減が期待されています。約2~3年後の実機の生産に向けて臨床実験が進められており、研究機関・検査機関等の導入を経て、最終的に医療機関への導入が予定されています。
7割近くの高齢者が5種類以上の薬内服
加齢とともにさまざまな疾病にかかりやすくなる高齢者は、内服薬の種類も増加傾向にあるのが現状です。厚生労働省の調査により、7割近くの高齢者が5種類以上の薬を併用していることが判明しました。高齢者は一般成人と比較して、薬の代謝機能が衰えていることが多いため、副作用が出やすくなる恐れがあります。また、薬の相互作用の影響も受けやすく、多剤併用による弊害が懸念されています。
この問題に対し、厚生労働省は「医薬品の適正使用」を推進。内服薬減少の取り組みに対する評価の新設や、処方せん様式の変更などを提示しました。この取り組みによる問題解決が期待されます。
文:看護師 水谷良介