• 2022年11月8日
  • 2022年11月8日

国内初CADASIL外来開設、治療薬開発目指す~国立循環器病研究センター

 
国立循環器病研究センターは、遺伝性脳卒中や若年性認知症の原因となるCADASIL(カダシル、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症)の専門外来を開設しました。
難病に指定されており、国内では数万人以上のCADASIL患者が存在する可能性が指摘されており、国内初のCADASIL専門外来として、最新の知見に基づいた治療提供や、新規治療薬の開発を目指しています。

国立研究開発法人国立循環器病研究センターは、遺伝性脳卒中や若年性認知症の原因となるCADASIL(カダシル、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症)の専門外来を開設した。専門外来の開設は国内で初めてで、最新の知見に基づいた治療を提供することに加え、新規治療薬の開発を目指す。【新井哉】

CADASILは、大脳白質病変を特徴とする遺伝性脳小血管病で、NOTCH3遺伝子の病原性バリアントが原因となり、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式で発症する。難病に指定されており、国内には1,200人ほどのCADASIL患者が存在すると推定されてきたが、最近のゲノム研究の進歩の結果、数万人以上のCADASIL患者が国内に存在する可能性が指摘されている。

CADASIL患者は、典型的には20-30歳ごろに片頭痛、30-40歳ごろに脳卒中 (脳梗塞や脳出血)、40-50歳ごろに認知症を発症し、脳梗塞を繰り返すと60歳前後で寝たきりとなり、65-70歳前後で死亡することが多いと考えられてきた。しかし、国内には10歳代で脳卒中を発症したCADASIL患者の報告がある一方で、80歳代で認知症を発症していないCADASIL患者も少なからず報告されているという。

CADASILの原因となるNOTCH3遺伝子の病原性バリアントは、世界中で300種類以上の報告があり、バリアントの種類によってCADASILの経過が異なる可能性も指摘されている。このため、CADASIL患者の経過は、患者ごとに大きく異なるため、遺伝性疾患であるにもかかわらず、画一的な診療はできず、診療ガイドラインも存在しない。治療は現在施設ごとに大きく異なっているという。

これまでCADASIL患者が地域の中核病院を受診しても、豊富な診療経験のある医師の診察を受けることは極めて困難だったが、同センター脳神経内科には、10月時点で約100人のCADASIL患者が定期的に来院しており、世界でも有数の診療実績がある。「脳神経内科では豊富な症例診療経験の強みを活かし、日本のCADASIL患者の実態解明に努める」としている。


出典:医療介護CBニュース