• 2022年4月20日
  • 2022年6月22日

10月以降の看護職員の処遇改善に関する議論がスタート~入院・外来分科会

 
4月13日、診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等の調査・評価分科会が2022年10月に診療報酬を改定して行う看護の処遇改善についての議論に入りました。看護の処遇改善は、21年度補正予算による補助金事業と22年10月の診療報酬改定の2段階で看護職員の賃上げを行うことになっています。所掌事務に外来医療を加えてから初の開催となったこの日は、議論を進めるにあたってのエビデンス収集のため、既存データの分析や追加の特別調査を実施する案が大筋で了承されました。

診療報酬調査専門組織の入院・外来医療等の調査・評価分科会は4月13日、2022年10月に診療報酬を改定して行う看護の処遇改善についての議論に入った。所掌事務に外来医療を加えてから初の開催となったこの日は、議論を進めるにあたってのエビデンス収集のため、既存データの分析や追加の特別調査を実施する案が大筋で了承された。分科会長一任で必要な修正を加えた後、中央社会保険医療協議会総会に報告する。

看護の処遇改善は、21年度の補正予算による補助金事業と22年10月の診療報酬改定の2段階で看護職員の賃上げを行うことになっている。このうち診療報酬での対応分では、22年10月以降の看護職員1人当たり収入について月額平均で1万2000円相当の引き上げを実施。対象要件や運用は補助金、診療報酬共通の内容で、▶「救急医療管理加算」を算定する年間救急搬送件数200台以上の医療機関または三次救急を担う医療機関を対象とする、▶処遇改善で得た収入を看護補助者、理学療法士、作業療法士等のコメディカルの賃上げに充当してもよい柔軟な運用を認める。

ただ、診療報酬による処遇改善は補助金に比べると制度設計が難しく、課題も多い。看護職員の人数に基準額を乗じた額を支給する補助金に対して、診療報酬は評価方法の違い(基本報酬、加算、項目新設のどの方法で評価するのか)や、算定対象患者数の増減などによって実際に医療機関に配分される財源が大きく左右されるからだ。

5~6月に看護職員の配置状況を把握するための特別調査を実施

こうした点を踏まえ厚労省は分科会に、既存データの分析や追加の特別調査の実施を提案し、了承された。分析対象となる既存データは、▶レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)、▶病床機能報告、▶先行実施されている補助金の支給状況―を想定。特別調査では、処遇改善の要件に該当する医療機関の看護職員の配置状況などを把握する。具体的には、▶21年7月1日および22年4月1日時点の病床数・人員配置等(許可病床数、病棟数/病棟・治療室ごとの届出入院料/部門別の看護職員数)、▶21年度の患者の受入状況(年間の在棟患者延べ数/外来患者延べ数/救急搬送件数)、▶「救急医療管理加算」の届出有無―などを調査項目に設定する考え。中医協総会の了承を経て、5~6月には調査が実施される見通しだ。


出典:Web医事新報