厚生労働省の「外来機能報告等に関するワーキンググループ(WG)」は12月17日、報告書案を大筋で了承した。「医療資源を重点的に活用する外来(重点外来)を地域で基幹的に担う医療機関」の基準は、外来に占める重点外来の実施割合が「初診40%以上かつ再診25%以上」とすることで決着。呼称は、「紹介受診重点医療機関」(紹介受診重点病院または診療所)とする。2022年度からの施行に向け、年度末を目処に政省令や告示の改正、地域の協議の場の運営に関するガイドラインの策定を行う予定。
外来機能報告の対象になるのは、一般病床や療養病床を持つ病院、有床診療所。無床診療所は、高額な医療機器等による検査を集中的に行っている施設などに対して任意での報告を求める考えで、21年度中に国が該当する施設の意向を確認し、報告意向がある場合は報告対象に含める。報告項目は、▶重点外来の実施状況、▶紹介受診重点医療機関になる意向の有無、▶紹介・逆紹介の状況、▶その他の外来・在宅医療・地域連携、救急医療の実施状況、▶外来における人材(専門看護師等)の配置状況―などとなった。
このうち重点外来は、①医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来、②高額等の医療機器・設備を必要とする外来、③特定の領域に特化した機能を有する外来(紹介患者に対する外来など)―のいずれかの機能を有する外来と定義。これらを地域で基幹的に担う「紹介受診重点医療機関」に関する国の基準は、外来件数に占める重点外来の件数の割合が「初診40%以上かつ再診25%以上」であることとし、各医療機関はこの基準を目安に手挙げするかどうかの方針を決定し、外来機能報告の際に報告する。
「紹介率50%以上かつ逆紹介率40%以上」も重要参考指標として活用
このほか、紹介率・逆紹介率を地域の協議の場で「紹介受診重点医療機関」への該当性などを判断する際の重要参考指標と位置付けるとともに、基準値を「紹介率50%以上かつ逆紹介率40%以上」に設定する。
「紹介受診重点医療機関」のうち一般病床200床以上の施設は、22年度の診療報酬改定に合わせて受診時定額負担の義務化対象に追加されることが決まっている。厚生労働省の推計によると「紹介受診重点医療機関」の基準に該当する施設の割合は、許可病床数200床以上の病院が40%、地域医療支援病院が82%、特定機能病院が81%だという。
出典:Web医事新報