• 2021年6月25日
  • 2021年11月2日

初心者でもはじめやすい資産運用! 投資信託のポイントとは?

 

使えるお金を増やすには「副業」という方法がありますが……。ただでさえ忙しい看護師の場合、仕事をしながら副業するのはかなり大変です。そこで注目したいのが資産運用。中でも投資信託は少額からスタートできるため、初心者でもはじめやすい金融商品です。この機会に、投資信託を利用した資産運用にチャレンジしてみませんか。

そもそも投資信託って何?

投資信託とは、たくさんの投資家から集めたお金を資金として取りまとめ、運用のプロが株式や債券などに投資・運用する金融商品のこと。運用で得た利益は、投資家に還元される仕組みになっています。

投資家が投資信託から得られる利益は、分配金と譲渡益(売却時の売却益・償還時の償還益・解約時の解約益)で、利益には20.315%※1の税金が課税されます。もし運用で損失が生じた場合には、確定申告すれば損益通算※2をすることができ、損益通算しきれなかった部分は、3年間繰り越して各年分の「株式等譲渡所得」から控除できます※2。

※1 税率は所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%の合計です
※2 一定期間内の利益と損失を相殺すること。投資によって利益(分配金や譲渡益)が出た場合は税金がかかりますが、損失が出た場合には利益から差し引いて、その分だけ税金を減らすことができます
※3 口座開設の際、「特定口座(源泉徴収あり)」を利用すると、利益が出た場合でも確定申告が不要になります

投資信託にはどんなメリットがある?

投資信託には、次のようなメリットがあります。

1.少額からはじめられる
株式や債券などへの投資には、ある程度まとまった資金が必要になりますが、投資信託は1万円程度の少額の資金からはじめられます。

2.分散投資ができる・投資先を選べる
投資信託の投資先は、国内株式や海外株式、国内債券、海外債券、国内不動産、海外不動産などさまざまなものがあるため、少額で分散投資※4をすることができます。また、個人では投資しにくい国や地域、資産などに、少額で投資できるのもメリットのひとつでしょう。
※4 投資先を振り分けてリスクを分散させる方法を「分散投資」といいます

3.プロに運用を任せられる
投資信託はプロが運用してくれるため、投資の初心者でも安心して資産運用がはじめられます。

4.透明性が高い
投資信託の基準価額※5は原則公表されているため、資産価値や値動きを自分で確認できます。また、決算ごとに監査を受けているため、透明性も高いといえます。
※5 投資信託の値段のこと。多くの場合、1口または1万口当たりの値段を指します

5.つみたてNISAが使える
少額からの長期・積立・分散投資を支援するための制度として「つみたてNISA※6」があります。「つみたてNISA」で運用すると、分配金や譲渡益が非課税になるため、効率よく資産運用ができます(「つみたてNISA」についてもっと知りたい方はこちら)
※6 「つみたてNISA」の投資対象は、積み立てに適した一定の投資信託に限られます。

リスクやデメリットは?

投資信託には、次のようなリスクやデメリットがあります。

1.価格変動によって損失が生じる可能性がある
投資対象にしている株式、債券などの価格下落によって、投資信託の基準価額が下落する可能性があります。価格下落の要因には、為替や金利が変動する「変動リスク」、債券等を発行する国や企業が破たんする「信用リスク」などがあげられます。

こうしたリスクは、投資信託ごとに想定される種類や大きさが違います。投資をする際には目論見書※7などに目を通し、それぞれの投資信託が持っているリスクをチェックしておきましょう。
※7 購入しようとしている投資信託について、投資判断に必要な重要事項を説明した書類のこと

2.投資信託にはさまざまな手数料が必要
購入時に必要な「購入時手数料」、売却時に必要な「売買委託手数料」、投資信託の保有額に応じて支払う「信託報酬(運用管理費用)」、監査法人などから監査を受ける際に必要な「監査報酬」などが必要になります。これらの手数料の額・有無は投資信託の種類や購入先によって異なるため、事前にチェックしておきましょう。

投資信託にはどんな種類があるの?

投資信託は、運用先や運用方法によって次のような種類があります。

1.投資対象の違い
投資信託の投資対象には「株式」「債券」「不動産(リート)」「コモディティ(商品)」などがあり、特定の投資対象に限定している投資信託もあれば、一定の割合で分散投資をしている投資信託もあります。また、投資先も「国内に限定」「海外も投資対象に含む」など、さまざまな種類があります。

<投資信託の運用先による主な特徴>
◎株式
債券より値動きが大きいため、大きな利益が期待できますが、その分のリスクも大きくなります。

◎債券
国や企業などが発行した債券で運用する投資信託は、発行元が破綻しない限り、満期まで保有することで元金と利息が得られます。値動きも株式より安定していますが、その分リターンも小さくなります。

◎不動産(REIT・リート)
REITを運用対象にしている投資信託は、分配金の利回りが相対的に高いのが特徴です。

◎コモディティ(商品)
金や原油、穀物などのコモディティ市場は、株式などと異なる値動きを示す傾向にあるため、分散投資をする際の選択肢になります。

なお、株式に投資できる投資信託を「株式投資信託」、株式には投資しない投資信託を「公社債投資信託」と呼びます。

2.「単位型」と「追加型」
最初の決められた期間(募集時)にしか購入できない投資信託を「単位型投資信託」、運用期間中ならいつでも購入できる投資信託を「追加型投資信託」といいます。

3.「オープンエンド型」と「クローズドエンド型」
運用期間中の払い戻しに応じてくれる投資信託を「オープンエンド型」、運用期間中の払い戻しに応じてくれない投資信託を「クローズドエンド型」といいます。国内で一般に販売されている投資信託は、ほとんどがオープンエンド型で、クローズドエンド型は一部に限られています。

4.「インデックス型」と「アクティブ型」
日経平均株価など、特定のインデックス(指数)に運用成果が連動するように設計されている投資信託を「インデックス型」、目標にしているインデックスを上回る運用成果を目指すように設計されている投資信託を「アクティブ型」といいます。

インデックス型は平均的な値動きが期待できますが、インデックスを上回る成果は期待できません。一方、アクティブ型はインデックス型より大きなリターンが期待できますが、その分のリスクも大きく、また、信託報酬などのコストもインデックス型より高めに設定されています。

投資信託を購入しよう!

1.口座を開設する
投資信託の購入先は、主に銀行と証券会社の2つです。購入できる投資信託の種類や数は金融機関によって違うため、事前にチェックしてから口座を開設する金融機関を選びましょう。

<金融機関の特徴>

証券会社 銀行
投資信託の数 多め 少なめ
主な購入場所 ネットなど 窓口・ネットなど
手数料 低め 高め

2.購入方法を決める
投資信託の購入方法には、次のような方法があります。それぞれの違いやメリット・デメリットをチェックして、自分に合った購入方法で資産運用をはじめましょう。

◎積立買付
毎月1回、自分が決めたタイミングで購入する方法。購入するタイミングを分散できるため、価格変動の影響を受けにくくなるのが特徴です。また、金融機関によっては「毎週」「隔月」「ボーナス月」など、あらかじめコースを決めて購入できることもあります。

◎金額買付
購入金額を指定して投資信託を買い付ける方法。「1回の購入金額は2万円」といったように投資金額を自分で設定できるため、お金の管理がしやすいというメリットがあります。

◎口数買付
金額ベースではなく、口数(投資信託の取引単位)を指定して購入する方法。「1回の購入口数は2口」のように指定して購入するため、投資金額は購入時の価格によって変わります。

3.分配金の受け取り方を決める
投資信託には、定期的に分配金が支払われるものがあります。投資信託を購入する際には、分配金をそのまま受け取るのか、再投資するのかを選びましょう。

◎分配金を受け取る場合
投資信託を購入した口座で、分配金を受け取ります。

◎分配金を再投資する場合
分配金を口座で受け取らずに、再度投資信託の購入にまわす方法です。再投資は複利効果が期待できるため、効率よく資産を増やすことが可能になります。

どうすればリスクを減らせるの?

「投資には興味があるけれど、リスクが怖い」という方のために、リスクを減らすポイントについても解説しておきましょう。

1.購入するタイミングを工夫しよう
投資で成功する秘訣は「安いときに買って、高いときに売る」ことですが、これを実践するのはプロでも難しいといわれています。そのため、「投資資金を4等分して、数回にわけて購入する」など、購入のタイミングを分散させてリスクをおさえるのがおすすめです。

2.ドル・コスト平均法でリスクを減らそう
ドル・コスト平均法とは、「定期的に・継続して・定額で」購入していく投資手法のことです。常に一定の金額で購入し続けると、基準価額が高いときには少ない口数を、安いときには多くの口数を買うことになるため、最終的には平均単価を引き下げる効果が期待できます。「日々の価格変動に一喜一憂せず、長期的な視点に立って資産運用したい」という方には、おすすめの投資手法です。

3.目的に応じて投資信託を選ぼう
以下に、目的別の選び方も紹介しておきますので、参考にしてみてください。

◎長期的な視点に立って資産を増やしたいと考えている場合
10年先、20年先など、長期的な視点に立って資産運用したいと考えている人は、分配金を支払わずに運用し続ける、「分配なし」の投資信託を中心に選ぶといいでしょう。また、分配金が支払われる投資信託でも、分配金を再投資すると効率よく資産形成ができます。

◎分配金を不足する生活費や子どもの進学資金にあてたいと考えている場合
安定した分配金を手にしたいと考えている場合は、分配金の額や分配の回数が多い投資信託を中心に選ぶといいでしょう。ただし、分配金が多く支払われる投資信託は、投資信託本体の運用資産が減ってしまうため、運用効率が悪くなるというデメリットがあります。

◎余裕資金を一時的に運用したいと考えている場合
急にお金が必要になったときに、いつでも換金できるオープンエンド型の投資信託を中心に選ぶといいでしょう。

まとめ

今回は、少ない資金からはじめられる投資信託について、その仕組みや実践的な購入方法などを紹介しました。この機会に、ボーナスの一部を使って、資産運用にチャレンジしてみてはいかがですか?

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