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当直と宿直・夜勤の違い|看護師向けに労働基準法に関する対処法も解説

看護師

当直の看護師の女性

介護業界・医療業界の現場において、利用者の命や生活を常に守らなければならない職員は、24時間体制で勤務することが一般的です。あらゆる勤務時間帯が存在することから、早番・日勤・夜勤・当直などさまざまなシフトの区切りも存在します。

その中でも当直は、「文字から意味を読み解くことが難しく、どういった意味かわからない」と考える方も多いでしょう。

そこで今回は、当直とは何か・どういった業務内容なのか・そのほか耳にする宿直と夜勤との違いは何なのかについて、詳しく紹介します。また、当直をするなら知っておきたい「労働基準法に抵触する働き方」についても解説するため、ぜひ参考にしてください。

「当直」とは

当直とは、介護施設や医療施設において、各スタッフが通常の勤務時間外にシフト交代制・当番制で働く勤務形態のことです。主に総合病院や急性期病院などにある勤務形態で、診療所・クリニックで働く医師や看護師はこのような働き方を行いません。

当直は夜の勤務がイメージされやすく、職場によっては夜勤シフトのことを当直と呼ぶところもありますが、実際のところ当直は働く時間帯や業務内容を限定したものではないため、厳密には「当直=夜勤」というわけではないことを覚えておきましょう。

また、医療施設で勤務する看護師の場合、当直勤務は法定労働時間の「週40時間」の枠組みに含まれません。代わりに、「宿日直手当」として給与が加算されたり、「変形労働時間制」を適用したりします。

変形労働時間制とは、一定期間において、1週間あたりの平均労働時間が40時間以内(労働基準法に基づいて)であれば、特定の週あるいは日に法定労働時間を超えて労働させられるという制度のことです。

月単位や週単位で労働時間を設定し、1日の労働時間をフレキシブルに設定できるため、日勤・準夜勤・夜勤の3交代制など変則的なシフト勤務を行う看護師には多く適用されています。

当直の業務内容

当直勤務は、基本的に軽微な業務を行ううえ、特徴的な業務はありません。看護師の当直では、主に下記のような業務を行います。

  • 入院患者の定期的な見回り
  • 入院患者からのナースコール対応
  • 入院患者の投薬チェック
  • 点滴が必要な入院患者の点検パックの確認・交換
  • 寝付けない入院患者への睡眠薬投与
  • 電話対応 など

施設内の巡回がメイン業務となる当直は、通常業務のように常に動き回る必要はありません。睡眠設備の確保もされているため、仮眠をとることも可能です。しかし、病棟によっては軽微な業務だけでなく、場合によっては急患対応などの緊急業務をこなす必要もあります。

当直と宿直・夜勤の違い

看護師の働き方として、当直と似た言葉に「宿直」「夜勤」があります。当直と宿直・夜勤はそれぞれ似たような意味を持ちますが、厳密には異なります。

〇宿直
宿直は当直勤務の中の一つで、夜間から朝方までにかけて勤務施設に一泊することを想定した働き方です。なお、日中に勤務する働き方のことを「日直勤務」と言います。宿直勤務の業務内容は当直勤務と同様、軽微な業務であることが特徴です。

〇夜勤
夜勤は、宿直と同様、夜間から朝方までにかけて勤務施設に一泊することを想定した働き方です。しかし、「業務内容」において宿直と大きな違いがあります。宿直勤務は軽微な業務をこなす一方、夜勤勤務は入院患者への排泄介助や食事介助など、通常勤務時間内と変わりない業務を行います。宿直と比べて、比較的負担の大きい勤務形態と言えるでしょう。

前述の通り、宿直は当直勤務の中の一つであるため、まったく異なるものではありません。しかし、宿直は勤務時間が定められたものと考えてください。そして夜勤は、勤務時間が定められていることや業務内容において、当直と大きな違いがあります。なお、当直勤務でも緊急搬送された急患の救急対応などで、場合によっては多忙となる可能性があることも覚えておきましょう。

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【看護師】労働基準法に抵触する働き方

時間外勤務をしている看護師

医療法人や事業所がスタッフに当直勤務をさせるためには、一定の条件を満たしたうえで労働基準監督署からの許可を得る必要があります。一定の条件は、下記の通りです。

  • 睡眠設備とスタッフの十分な睡眠時間を確保する
  • 当直勤務をさせるスタッフは軽微な業務の遂行を目的とする
  • 宿直は週1日・日直は月1回を限度にする
  • 当直手当は1日あたりの平均給与の1/3を下回らない

また労働基準監督署からの許可を得て当直勤務をさせたあとも、当然労働基準法に違反した働き方をさせた医療法人や事業所は、措置対象となります。ここからは、労働基準法に抵触する働き方を解説します。

病院の判断で時間外勤務の申請上限を設けている

病院によっては、時間外勤務の申請上限を暗黙のルールとして設けていることもあります。つまり、申告しきれない時間外労働の時間は「サービス残業」とさせるやり方です。

労働基準法では、休日に労働した時間分や法定労働時間を過ぎた時間分については、割増賃金を支払わなければならないと定めています。

使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

(引用:e-Gov法令検索「昭和二十二年法律第四十九号労働基準法」

変形労働時間制が適用されているわけでもなく、かつ宿日直手当として給与が加算されるわけでもない場合は、労働基準法に違反している可能性が高いと言えるでしょう。

病院の判断で有給休暇を取得させてもらえない

医療業界や介護業界に限らず、どの業界においても6ヶ月以上の勤務で年間10日以上の有給休暇を取得できます。これは、正社員・パートなど雇用形態にかかわらず同一の権利です。

しかし患者が多く忙しい病院では、多忙を理由に有給休暇を取得させないといったケースもあります。場合によっては、有給休暇を取得したスタッフの給与を減額するなど、不当な扱いをする悪質な職場も存在します。

有給休暇を取得させない・有給休暇を取得した職員に対して不当な扱いをするといった事例は、確実に労働基準法に違反します。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。

(引用:e-Gov法令検索「昭和二十二年法律第四十九号労働基準法」

使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。

(引用:e-Gov法令検索「昭和二十二年法律第四十九号労働基準法」

「半年以上勤務しているにもかかわらず、有給休暇を取得させてくれない」「有給休暇を取得するなら、給与を減額するという条件を突き付けられた」といった場合、申告すれば職場が措置対象となる可能性は十分にあります。

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【看護師】労働基準法に抵触する場合の対処法

当直の労働基準法に抵触した働き方をしている看護師

働き方改革が多くの業界で注目されている近年、労働基準法に抵触してスタッフを勤務させている事業所は少なからず存在します。自身が被害者となってしまわないよう、労働基準法に抵触する場合の対処法をあらかじめ知っておきましょう。

ここからは、看護師に向けて労働基準法に抵触する場合の対処法を解説します。

残業代が支払われない場合は弁護士に相談する

時間外労働の申請上限を設けられていることなどが理由で、実際にはしっかり勤務していたにもかかわらず残業代が支払われないといった場合は、まず弁護士に相談することがおすすめです。

労働基準法について知識の豊富な弁護士に相談すれば、「本当に支払われるべき残業代が支払われていないのか・支払われていない場合、その額はどれくらいになるのか」をざっくり出すことができます。

なお、弁護士に相談する際は最低限の資料も必要です。給料明細と実際の勤務時間がわかる資料を所持したうえで、弁護士に相談することをおすすめします

状況が改善されない場合は転職も検討する

責任者に直接、労働基準法に違反していることをどれほど訴えてもなかなか状況が改善されない場合は、転職を検討することも一つの手段です。

しかし、転職先でもまた同様の事態が起きないように、転職先はきちんと検討したうえで選ばなければなりません。また勢いで現在の職場を退職し、次の職場で働くまでに長い期間を要することも避けるべきポイントです。

転職を決めたときは、現在の職場の引継ぎ業務や転職先選びの期間も考慮して、少なくとも3ヶ月の準備期間を設けましょう。各項目ごとにある程度のスケジュールを立てることで、スムーズな転職が可能です。

看護師が転職するなら「マイナビ看護師」の活用がおすすめ

転職を考えている看護師におすすめの転職サイトが、「マイナビ看護師」です。

マイナビ看護師を利用するメリット
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マイナビ看護師に無料会員登録をするだけでも、さまざまな非公開求人をチェックすることができます。転職を検討している看護師の方は、ぜひマイナビ看護師を利用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

当直とは、各スタッフが通常の勤務時間外にシフト交代制・当番制で働く勤務形態のことです。当直勤務の中には、勤務時間の異なる「日直」と「宿直」の主に2つの働き方があり、業務内容は基本的に軽微なものとなっています。

当直や夜勤のある病院で働くのであれば、労働基準法についてもある程度知っておかなければなりません。時間外労働代や残業代が支払われない・多忙を理由に有給休暇を取得させてくれないといったケースは労働基準法違反となるため、弁護士に相談するか思い切って転職を検討しましょう。

看護師の転職先選びには、マイナビ看護師の利用がおすすめです。マイナビ看護師では、転職のプロである専属アドバイザーによる、条件に適した求人の紹介や履歴書の添削サービスを受けられます。ここまでの内容を参考に、転職を検討する看護師の方はぜひマイナビ看護師をご利用ください。

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