• 2021年8月5日
  • 2022年5月17日

看護師のキャリアアップ方法は? 4つのパターンとおすすめの資格も

 

看護師は需要が高く、勤務先次第で自分に合う働き方を選べることがメリットです。しかし、現状よりもさらに条件の良い職場で活躍しようと、キャリアアップを視野に入れている人は多いしょう。希望どおりのキャリアアップを実現するためには、知識や技術を磨くだけでなく、資格を取得してスキルアップを図ることが大切です。

今回は、キャリアアップを目指す看護師の人に向けて、キャリアアップする方法とおすすめの資格を紹介します。

看護師がキャリアアップする4つの方法

看護師として長く活躍するためには、自分の将来設計を明確に考える必要があります。将来設計が不明確であれば、どのようなキャリアアップを図るべきかという道筋も見えません。未来の自分の姿を想像し、そうなるために何が必要なのかを考えた上で、行動を起こすようにしましょう。

看護師がキャリアアップするメリットは、「昇進や昇給により給料が上がること」「結婚・出産でブランクがあっても復帰しやすいこと」が挙げられます。キャリアアップにより裁量や職務範囲が拡大する分、仕事の責任感も増えますが、大きなやりがいを得られるでしょう。

看護師がキャリアアップを図る方法は、経験の蓄積だけではありません。ここからは、経験を積むこと以外に看護師のキャリアアップにつながる方法を4つ紹介します。

看護関連資格を取得して仕事の幅を広げる

看護関連資格を取得して専門性を高めると、これまでよりも仕事の範囲を広げることが可能です。近年は医療業界でも専門的な知識やノウハウが求められるため、専門知識の豊富な人材はさまざまな職場で重宝されます。

看護関連資格を取得する方法は、待遇アップを図るだけでなく、患者へより良い看護を提供したい人におすすめです。

他の医療機関に転職する

看護師の仕事は、勤務する医療機関の規模や種類によって異なります。キャリアアップを目指すためには、同じ職場で勤続年数を重ねるよりも、他の医療機関へ転職する方法が有意義な場合もあります。

「急性期看護がしたい」など、明確な目標を持つ人は、目標に合致する医療機関に転職する方法がおすすめです。目標が定まらないのであれば、管理職教育制度がある職場で管理者を目指すルートもあります。

看護師として培ってきた知識や技術を活かし、介護職にキャリアチェンジすることもキャリアアップにつながります。看護師から介護職に職種を変えるメリットは、看護師の有資格者は介護職員初任者研修修了者とみなされ、無資格者よりも早く介護職として働けることです。

訪問介護事業所や有料老人ホームなど、看護師を募集している介護施設はさまざまな種類があります。「自分に合う働き方を選びたい」「一人ひとりに向き合ってケアしたい」という思いが強い人は、介護職への転職を検討するとよいでしょう。

医療系の一般企業に転職する

看護師の経験を活かせる職場は、医療機関や介護施設に限りません。たとえば、大企業の医務室のほか、製薬会社や医療機器メーカー、ドラッグストアなど、看護師は一般企業でも活躍することが可能です。

臨床開発モニターやクリニカルスペシャリストとして転職する場合、これまでとはまったく違う知識やスキルが求められることもあります。そのため、医療に限らず幅広い経験を積みたい人や、夜勤がある仕事を避けたい人は、医療系の一般企業に転職することを選択肢に入れてみてください。

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看護師のキャリアアップにおすすめの資格3タイプ

「看護師として働き続ける」「看護師とは違う職種に変える」のいずれにしても、専門的な資格を取得することはキャリアアップにつながります。資格と一口に言ってもさまざまな種類がありますが、キャリアアップにつながる資格は「看護関係」「医療関係」「介護・福祉関係」の3種類です。ここからは、各資格の詳細を紹介します。

看護関係の資格

看護関係の資格を取得することは、医療機関などへ転職する際に有利になります。代表的な看護関係の資格は、下記のとおりです。

・保健師
保健師は、保健センターや学校、医務室などで働きたいときに必要となる国家資格です。勤務先によっては公務員扱いとなる場合もあり、治療や看護よりも予防やケアに関連する業務がメインとなります。

・助産師
助産師は、妊娠中の女性を出産前から出産後までサポートする国家資格です。看護師資格を取得している女性のみが国家試験を受験できます。

・認定看護師
認定看護師は、専門知識や技術があることを証明する資格です。通算5年以上の実務経験を積み、教育機関でカリキュラムを修了した上で、審査を受けます。資格取得を通して知識や技術が身に付いていると証明されれば、後輩の指導役に回ることもできます。

・専門看護師
専門看護師は、13の特定分野に関する専門性を持つことを証明する資格です。日々の業務に加えて、定期的な研究活動が求められます。専門看護師の受験資格を得るためには、5年以上の実務経験を積み、大学院修士課程で特定の単位を修める必要があります。

・特定看護師(特定行為看護師)
特定看護師は、「特定行為に関わる看護師の研修制度」によって誕生しました。厳密には資格ではありませんが、医師が作成した手順書に基づいて特定行為を実践するための知識や技能の研修を受けたことを証明できます。

看護に限らず、医療関係の資格を取ることも転職活動に活かせます。看護師におすすめの代表的な医療関係の資格は、下記のとおりです。

・救急救命士
救急救命士は、救急車に同乗して患者の救命処置を行うための資格です。主に消防署の所属となるため、資格取得に加えて消防官の採用試験も受ける必要があります。

・臨床心理士
臨床心理士は心理学に基づき、人それぞれの価値観を尊重して自己実現のサポートを行う資格です。教育機関ではスクールカウンセラーとして活躍します。医療機関の小児科で難病と闘う子どもや家族の支えとなることもできます。

・呼吸療法認定士
呼吸療法認定士は、呼吸療法を必要とする重症患者をケアできる資格です。近年は呼吸理学療法や危機管理の重要性が増しているため、病院やクリニックの他に在宅医療の現場でも重宝されます。

それぞれの患者が抱える困難に正しい知識をもって寄り添いたいと考える人は、医療関係の資格取得も視野に入れましょう。

介護・福祉関係の資格

介護業界では看護師の有資格者が採用されやすいため、介護・福祉関係の資格取得も効果的です。看護師が取得できる代表的な介護・福祉関係の資格は、以下の2つが挙げられます。

・ケアマネージャー(介護支援専門員)
ケアマネージャーは、要支援・要介護者に対し、それぞれの状況に合ったサポートを提供する資格です。訪問介護や介護施設の利用に必要なケアプランを作成したり、サービス事業者や行政との橋渡しを行ったりします。

・社会福祉士
社会福祉士は、介護を必要とする人だけでなく、母子や児童などさまざまな生活困窮者も支える資格です。病院に勤務する場合は、医療ソーシャルワーカーとして患者や家族をサポートします。

介護や福祉に関連する職場は日勤の求人が多いため、ワークライフバランスを重視する人に介護・福祉関係の資格取得はおすすめです。

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まとめ

看護師としてキャリアアップを考えている人は、新たな資格を取得することでスキルアップを試みる方法がおすすめです。専門性の高い知識や技術を身に付けることは、待遇アップにもつながります。

看護にこだわる必要はなく、医療関係や介護・福祉関係など、看護師資格を活用して専門知識や技術を発揮できる分野は多岐にわたります。将来はどのような自分になりたいのか具体的にイメージした上で、キャリアアップの計画を立てましょう。

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