• 2023年5月10日
  • 2023年5月10日

GW明け、5月病で新人看護師が辞めそうな気配……。長く働いてもらうには?

 

ゴールデンウィーク明けは5月病も相まって新人看護師が辞めていくシーズン。プリセプターとして何かできることはないかな? このお悩みに対して、人気ブロガーのDJあおいさん、作家のワタナベ薫さん、産業医の井上智介さんらスペシャリスト3人がアドバイスします!

イラスト:菜々子

今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち

GW明け、5月病で新人看護師が辞めそうな気配……。長く働いてもらうには?

相談者
昨年、ゴールデンウィーク明けに職場に来なくなってしまった新人看護師がいました。

今思えば、なんとなく5月病っぽくて元気がなかったような気がするのですが、昨年は私も役職につき、自分のことで手一杯だったので新人をフォローしてあげられませんでした。

今年も新人看護師が辞めてしまうのではないかと不安です。プリセプターとして、長く働いてもらうにはどうしたらいいですか? アドバイスをいただきたいです。

スペシャリスト3人のアドバイスは?

人気ブロガー
DJあおいさん

人は自分の話が通じる環境を自分の居場所にするといいますね。「もう辞める」と言うわりには、いつまでも続ける人がいると思うのですが、それは「辞める」と話すことができる環境だから続けてしまうのですよ。

つまり、どんなに劣悪な環境でも自分の話が通じる環境なら、人は適応してしまうということ。逆に言えば、どんなに素晴らしい環境であっても、自分の話が一切通じない環境に人が居着くことはありません。

新人と中堅は立場が違うこともあり、話が上から下へと一方通行になりがちですが、休憩中などは対等な立場になって話を聞いてあげることに努めた方がいいでしょう。

それは無駄話であればあるほど効果的。人って無駄話にこそ“自分”が出るものですからね。無駄という余白の部分に人は居場所を見つけるのです。ですのでどうか新人看護師には無駄を与えてあげてください(by DJあおいさん)。


▶︎真木あかりの12星座別・2023年度占い|2024年3月までの看護師キャリアの運勢

ワタナベ薫_profile
実業家
ワタナベ薫さん

先輩看護師である相談者さんが今回のように感じていること自体、素晴らしいと思いました。看護師の離職はいつの時代も問題になっていますからね。

人の心理として、何かを行う際「やりがい」があれば継続していけるものです。
新人看護師にとっての新年度は、新しいことの指示や知識、情報などのインプットすることが多く、思い描いていた「やりがい」とはほど遠い時期。ですから、新人看護師が入職した時点で、今はやりがいを感じる前段階のインプットの時期であることを事前に知らせておくことで、ギャップに悩まないかもしれません。

加えて、新人看護師には言葉で、態度で、表情で、ボディランゲージで、「承認」を多めに伝えることが重要です。承認とは、「あなたを必要としてる」「あなたがいてくれて助かっている」「あなたのおかげで実現できた」を伝えること。承認することが新人看護師の「やりがい」につながり、継続にも繋がっていくことでしょう(byワタナベ薫さん)。


産業医
井上智介さん

このようなことが起きると、自分の指導力を疑って苦しくなりますね。ただ、相談者さんも多忙ながら、その時は自分なりに精一杯やって最善を尽くしたはずですから自分を責めないで下さい。

新人看護師が職場に定着するには、安心感や安全を感じられる“土台作り”が先決です。具体的には、“新人看護師から話しかけやすい雰囲気作り”です。

たとえば、朝の挨拶は「おはよう」ではなく「Aさん、おはよう」と相手の名前を入れるだけでも受け入れてもらえている感覚が伝わります。

さらに、忙しい時こそ「今日は13時~14時は相談に乗れるよ」と、事前にあなたの空いている時間帯を示して下さい。それだけでも話しかける機会を見つけやすいです。

また、感謝を述べる時も「変化のポイントを押さえた申し送りでわかりやすかった。ありがとう!」と具体的な理由付きの感謝は、新人さんの行動承認につながります。

まずは話しやすい雰囲気を意識した日々の振る舞いを心がけてみて下さい(by 井上智介さん)。

▶︎プリセプターが怖い? 新人看護師の緊張を和らげたいけど、どうしたら?


三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 心理的安全性が保たれている職場づくりを意識すれば、自ずと新人看護師が話しやすい環境になり、ひいてはそれが長く働いてもらえることにつながりそうです。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。

企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)

DJあおいさん
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に『キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ! 』(ワニブックス)、『女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋』(KADOKAWA)、『結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。』(幻冬舎)など。

ワタナベ薫さん
株式会社WJプロダクツ代表取締役
メンタルコーチ、作家。国内最大級のオンラインサロン運営やコーチング養成スクール運営など。女性たちの悩みを解決すべく人生を謳歌する方法を発信している。自身がプロデュースした手帳『人生が変わる未来手帳』ほか、著書多数。

井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』(大和出版)など。

著者プロフィール