• 2023年3月16日
  • 2023年3月14日

管理職になってから現場経験が積めず、看護師として成長できているか不安です。

 

管理職になってからマネジメント業務メインになり、なかなか看護の現場経験が積めず、プレイヤーとしての成長ができているのか不安……。 このお悩みに対して、人気ブロガーのDJあおいさん、作家のワタナベ薫さん、産業医の井上智介さんらスペシャリスト3人がアドバイスします!

イラスト:菜々子

今回のお悩みに答えてくれるスペシャリストたち

管理職になってから現場経験が積めず、看護師として成長できているか不安です。

相談者

病棟で後輩指導係と部署管理の役を任されて2年。自分が1人の看護師として成長できていないように感じます。

マネジメント業務メインになってから、患者さんと接する機会はめっぽう減りました。たまにフリーで動ける日があっても、そんな日に限って後輩のサポートに回ることになるなど、管理職になってから看護師としての現場経験が積めていない状況です。

ポジティブに考えれば管理職としては成長できているのかなと思うのですが、私が求めているのは看護師としての成長。

これも定めとして受け入れるべきなのか、それとも現場に戻るため他の病棟で働くべきか。皆さんだったらどうしますか? 

スペシャリスト3人のアドバイスは?

人気ブロガー
DJあおいさん

臨床現場で直接患者さんと接し、看護ケアに携わることに魅力を感じているのなら、看護師としてのスキルアップが可能な環境に移ることもアリ。

ですが、仕事ができる人材よりも、人を育てることができる人材の方が、社会的な貢献度は高いです。

あなたがどんなに優秀な看護師になっても、あなたはあなた1人しかいませんので、あなたが不在の現場では問題が起こり得ます。

一方、あなたが人材を育てるスキルを持った場合、教育することにより彼らのパフォーマンスを上げられるため、より広範な影響を与えることができるでしょう。

管理能力を磨くことで、組織やチームを効果的に運営するためのリーダーシップや計画立案等のスキルが身につきます。それにより、組織全体の成長に寄与することができるので、長期的な視点で見れば人材育成マネジメントを学んだ方がいいのかもしれませんね。

いずれにしても、自分自身の強みと興味に応じてキャリアパスを考えることが重要です。決してラクな道を選ばないように、迷ったら勇気が必要な方を選んでください(by DJあおいさん)。


ワタナベ薫_profile

実業家
ワタナベ薫さん

相談者さまはとても真面目な方ですね。

ここで明確にしておくといいことがあります。「あなたが思う看護師としての成長とは何か?」「何ができたら成長したと言えるのか?」。

これらを書き出してみると、成長するために必要なゴールが明確になり、そこに向かって行動しやすくなります。

100メートル走に例えてみるとわかりやすいです。病院に入ったばかりの新人の頃は、スタート地点に立っていました。今、あなたは管理職についています。さて、今は何メートル地点を走っていますか? 

その進んだ距離が、あなたの成長度合いです。数値化すると成長度がよりわかりやすいと思います。進んだ距離の内訳(どうして現在地が◯メートルと言えるのか?)を書き出すと、成長とは何かをより具体化できます。

一歩一歩進みながら、どんな小さなことでもできたことを認めていくことで、不安から解放されていくことでしょう(byワタナベ薫さん)。


産業医
井上智介さん

「プレイヤーとして働くことで成長できる」というイメージが強いと、管理職は看護師としての成長につながりにくい印象を持つでしょう。間接的には成長できているかもしれないけど、心ではシックリこないから悩んでしまうの、とってもよくわかります。

結論からいえば、管理職として働く期限を決めて、思いっきり管理職として働いてみること。その期限を迎えたとき「今の仕事に自分が求めているものがあるのか」を自問自答してみましょう。YESならそのまま続けてください。NOなら違う道を歩みましょう。

どんな選択をしても周りにはネガティブな意見を言う人がいます。しかし、その人があなたの人生に何かのプラスを提供してくれるわけではないため、真剣に耳を貸す必要はありません。人には向き不向きや各々の価値観があります。相談者さまがイキイキと過ごせる働き方こそが正解です。

管理職を辞めて失うものもあるかもしれませんが、管理職を続けることで溜まるストレスは軽視してはいけません。たまには仕事中、鏡で自分の顔を見てください。あなたは今、笑顔で過ごせていますか?(by 井上智介さん)

▶︎1年目の看護師がすぐ辞める。新人の芽をすぐ潰すリーダーを改善させるには?


三者三様のアドバイス、いかがでしたか? 組織の成長に寄与することが、まわりまわって自分の成長にもつながりそうですよね。自分が理想とする働き方や看護観を今一度振り返りつつ、成長とは何かを言語化してみると、自ずと答えが見えてくるのかもしれません。相談者さんのお悩み解決の一助になれていれば幸いです。それではまた次のお悩みでお会いしましょう。

企画・構成/藤田佳奈美(TAC企画)

DJあおいさん
月間600万PV!の大人気ブロガー。独自の恋愛観と核心をついた鋭いアドバイスで、Twitter合計フォロワー35万人の人気を誇る謎の主婦。女性誌やサイトで連載多数。著書に『キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーなら、それがいいのだ! 』(ワニブックス)、『女の人間関係はめんどうなのよ 人付き合いの処方箋』(KADOKAWA)、『結婚は「だから、好き」より「だけど、好き」。』(幻冬舎)など。
ワタナベ薫さん
株式会社WJプロダクツ代表取締役
メンタルコーチ、作家。国内最大級のオンラインサロン運営やコーチング養成スクール運営など。女性たちの悩みを解決すべく人生を謳歌する方法を発信している。自身がプロデュースした手帳『人生が変わる未来手帳』ほか、著書多数。
井上智介さん
産業医/精神科医/yahoo!ニュース公式コメンテーター
島根大学医学部を卒業後、現在は産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医としては、毎月30社以上を訪問。著書に『職場での「自己肯定感」がグーンと上がる大全』(大和出版)など。

著者プロフィール