• 2023年3月1日
  • 2023年3月1日

看護師の職場で起こるいじめの具体例と対処法を紹介

 

「職場でいじめが発生している」「先輩にいじめられてつらい」という、看護師の方もいるでしょう。残念ながら、看護現場にもいじめはあります。

この記事では、看護師の職場でいじめが起こる理由を解説します。そのほか、看護現場でおこるいじめの例といじめに遭わないための対処法を紹介。いじめに遭った際の解決法もまとめているので、いじめで悩んでいる看護師の方は、ぜひ参考にしてください。

看護師の職場でいじめが発生する3つの理由

社会には、残念ながらいじめが起こっている職場があります。看護師の職場も例外ではありません。
ここでは、看護師の職場でいじめが発生する理由を3つ紹介します。

1.激務で心に余裕がない

看護師のなかには激務で心に余裕がなくなり、感情的になって強い口調や厳しい態度になる人もいます。ストレス解消のために、他者にイライラをぶつけてしまう人もいるでしょう。

看護師は患者さんの健康を支えるのが仕事のため、ミスが許されません。業務内容は多岐にわたるうえ、勤務はシフト制が基本で早番・遅番・夜勤などがあり、精神的にも肉体的にもきつい仕事です。余裕がないからといって他者にきつく当たって良いわけではありませんが、心の余裕のなさからいじめに発展してしまうことがあるようです。

2.責任の重い仕事がゆえに指導が行き過ぎてしまう

看護師の仕事は責任が重いため、先輩看護師の指導にも熱が入ります。はっきりと物事を伝えなければならないこともあり、つい強い口調で指示や𠮟責をすることも。日頃から思ったことをはっきりと口にすることで、働くうちに気が強くなってしまう看護師もいるようです。はじめは指導のつもりでも、度が過ぎていじめになってしまう場合があります。

3.閉鎖的な環境である

規模の小さな病院やクリニックのなかには、人間関係が構築されており、新しく入った新卒入社や中途入社の人が馴染みにくい職場があります。また、働いているのがフレンドリーな看護師ばかりとは限らず、周りの人と関わろうとしない人や排他的な人もいます。職場によっては、「お局」といわれるような人もいるでしょう。排他的な人やお局の言動によって、いじめが発生するケースは少なくありません。

看護師の職場で起こるいじめの例

看護師の職場で起こるいじめの例

ここでは、看護師の職場で実際にあるいじめの例を紹介します。自分が働いている職場でいじめが発生していないか、改めて振り返ってみましょう。

パワハラ

上司や先輩から無理矢理仕事を押し付けられたり、必要以上に𠮟責されたりなど、看護師の職場にもパワハラはあります。なかには、無理難題を言われたり残業をさせられたりすることもあるようです。

日本医療労働組合連合会の「2017年看護職員の労働実態調査結果報告」によると、「パワハラがある」と答えた看護職員は、全体の28.9%でした。そのなかでも、看護部門の上司からパワハラを受けたと答えたのが57.9%と半数以上で、上司からのパワハラ被害にあったのは77.7%が20~24歳の若手看護師でした。年齢的に若い人のほうが、パワハラの被害に遭う傾向にあります。

参照元:日本医療労働組合連合会「2017年看護職員の労働実態調査結果報告」

無視をする

聞こえているにも関わらず、挨拶を返さなかったり声をかけても無視したりするのは立派ないじめです。業務に関する重要な確認であっても、無視をする看護師がいます。なかには、その人の存在そのものを無視する人も。患者さんの命を預かっている看護師の仕事において、情報の共有・連携はとても重要です。患者さんの健康に影響を及ぼす恐れがあるため、無視は許される行為ではありません。

悪口を言う

本人がいないところで、悪口・陰口を言う看護師が在籍する職場もあります。悪口・陰口から、次第に仲間外れに発展することも。自分が悪口言われているとわかると話しかけづらくなり、仕事を円滑に進めるのが難しくなってしまいます。

仕事のミスを過剰に責める

ミスをした際に、必要以上に叱責したり過剰に責めたりするのもいじめに当たります。医療ミスは患者さんの命に関わる可能性があるので注意を受けるのは当たり前ですが、業務には影響しない些細なミスに対して、過剰に反応し指摘する人も。なかには、ミスに対してではなく、「こんなミスをするなら看護師には向いていない」「何年看護師をしているの? 」など、人格やキャリアを否定する人もいます。

仕事以外のことまで口出しをする

性格・容姿など、看護師の仕事には関係のないことにまで口出しをする人がいます。近年では性的マイノリティであることを理由に、偏見や差別をする人も。性格・容姿・性別に関する口出しや差別は人権侵害にあたります。

持ち物を隠す・盗む

仕事で使うボールペンやメモ帳など、持ち物を隠すといったいじめもあります。なかには、私物を盗む場合も。困っている様子を見るのが楽しいという心理から、物を隠したり盗んだりするようです。盗難は嫌がらせの限度を超えており、犯罪行為にあたります。

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いじめにあわないための3つの対処法

いじめにあわないための対処法

いじめられるのは、必ずしもあなたに原因があるからではありません。しかし、以下の行動に気をつけることで、いじめにあいにくくなるでしょう。以下では、いじめにあわないための対処法を3つ紹介します。

1.挨拶やお礼を欠かさない

人として当たり前のことですが、挨拶やお礼は欠かさないようにしましょう。
人とコミュニケーションを取るうえで欠かせないのが挨拶です。先輩や後輩、上司や部下など、年齢や役職は関係ありません。挨拶は気づいたほうが先にしましょう。

また、何かしてもらったときは必ずお礼を言うようにしましょう。人間関係を円滑にして仕事をスムーズに進めるには、感謝の気持ちを伝えることも重要です。お礼をされて嫌な気分になる人はそういません。たとえ苦手な人であっても、しっかりと相手の目を見てお礼を伝えるようにしましょう。

2.ハキハキと受け答えをする

おどおどしている人に苛立ちを覚える人もいるため、自信をもってハキハキと受け答えをするようにしましょう。自信なさげにしていると、「弱い人」と認識していじめのターゲットにする人もいます。

返事はもちろん、聞かれたことに答えるときも、しっかりと意思表示をすることが大事です。わからないことがあれば自ら率先して質問するなど、前向きな姿勢をアピールするのも良いでしょう。

3.笑顔でいることを心がける

どんなときも笑顔でいることが大事です。笑顔の人に対して、悪いイメージを抱く人はなかなかいません。笑顔でいると自分の気持ちが明るくなるだけでなく、周りの雰囲気も明るくなります。笑顔の人は好かれやすい傾向にあるため、いじめの対象になりにくいでしょう。

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いじめにあって看護師を辞めたいと感じたら…

いじめで看護師を辞めたいときの解決方法

いじめにあってしまったとき、つらくて看護師を辞めたいと考える人もいるでしょう。しかし、看護師を辞める必要はありません。ここでは、いじめにあって看護師を辞めたいと感じたときの解決法を3つ紹介します。

上司・同僚・相談窓口に相談する

いじめにあってしまったときは、まずは身近な存在である上司や同僚への相談をおすすめします。一緒に対処法を考えてくれたり、職場で働きかけをしてくれたりするでしょう。また、病院の相談窓口に相談するのも得策です。

なお、職場で相談をしづらい場合は、外部の相談窓口に相談するのも一つの手です。各都道府県労働局や全国の労働基準監督署内には、職場のトラブルに関する相談ができる「総合労働相談コーナー」があるほか、厚生労働省では「ハラスメント悩み相談室」を運営しています。
いじめを受けた際には、決して一人で悩まないようにしましょう。

参照元:
厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
厚生労働省「ハラスメント悩み相談室」

異動を申し出る

勤務先が通いやすい場所にあったり、待遇が良かったりする場合は、部署異動の希望を出すと良いでしょう。いじめをする人と病院内で顔を合わせる可能性はありますが、一緒に仕事をする必要はなくなるので安心です。勤務先が変わるわけではないので、転職をするよりハードルは低いといえます。

ただし、人員配置の問題もあるので、すぐに異動が承認されるわけではありません。異動したい理由がいじめであることを伝え、できるだけ早く異動ができるように上司や病院に掛け合いましょう。

転職する

職場内でいじめが常態化していたり異動ができなかったりする場合は、転職を検討しましょう。職場の人間関係をリセットできるほか、新たな環境に身を置けるため、気持ちをリフレッシュして仕事ができます。

なお、転職したいからといって、転職先を安易に決めるのはおすすめできません。通勤のしやすさや待遇、スキルアップ・キャリアアップに繋がるかなどを考えて、転職先を決めましょう。

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まとめ

残念ながら、いじめをする看護師がいるのは事実です。なかには、いじめている自覚がない人もいるでしょう。いじめがある職場で円滑に仕事ができるとは考えられません。もし、自分の職場でいじめがあったり、自分自身がいじめられていたりするのであれば、環境を変えることをおすすめします。

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