【看護師が描く４コマ漫画】ナースの世界線 vol.4

ナースのバレンタイン事情といえば、いつも一緒に働いている男性医師への「義理チョコ」である。もちろんその職場にもよるが、私が働いていた病院では、医師達から夜勤時の差し入れや、学会へ出掛けた際のお土産などを貰うことも多かったので、バレンタインには日頃の感謝を込めて看護師側から義理チョコを贈る風習があった。ちなみに女性医師にはクリスマスにお菓子をプレゼントして感謝を伝えた。

しかし24時間稼働の病院内では、忙しくてなかなか渡すタイミングが難しい場合もあり、つい忘れてしまって、慌てて医局を覗いて「先生もう帰っちゃった！？」なんてこともしばしば…。

それでも毎年、若くてフレッシュな新人ナースが渡すという決まりだったせいか、当日楽しみにしてくれている医師も多かった。

普段は厳しく強面の医師も、少しだけニコっとする反応が見たくて新人に付き添い一緒に渡しに行ったこともあった。

このバレンタイン行事を面倒な風習だと不満を持つナースも確かにいたが、「いつもありがとうございます」を素直に伝える機会があっていいなと私は感じていた。

ちなみにチョコ代は毎月徴収される病棟費より賄われていた。お金を払うだけならまだしも、実際には誰かがお店に行って買ってきてくれていたのだなと後になって気づき、そのナースにもお礼を言って…。

結局ひと付き合いというのは相手への思いやりだなぁと、今しみじみ感じている。
もしかしたら省略しても良い行事だったかもしれない、業務的には何の問題もない。自分が苦手な医者だって沢山いたけど、でも明日も明後日も一緒に働かなくてはならないのだ。だったらお互い少しでも気分よく働いた方が毎日お得に過ごせる。自分次第で相手との関係を変えることだってできるかもしれないのだ。