【看護師が描く４コマ漫画】ナースの世界線 vol.2

年末のお楽しみといえば心踊る冬のボーナスである。新卒時代の初めての高額なボーナスはたしか一切手をつけずまるまる貯金にまわしたと記憶している。

もう20年くらい前の話ではあるが、当時勤めていた病院の院長の方針で給料やボーナスは全て手渡しであった。しっかりと現金で受け取ることでそのありがたみを感じて欲しい、とかたしかそんな理由だった気がする。今思えば非常に物騒な話である。

ある時、ボーナス支給日に公休だった私は、上司に促され事務所へボーナスを受け取りに行った。その時、事務長が開けた金庫のデカさといったら、地元北海道のヒグマの檻になりそうなくらい重厚で大きかった。

様々な厚みの封筒の中から比較的薄〜い封筒を手に取り、渡してくれたのを今でも鮮明に覚えている。そりゃあ医者や上司と比べたら少ないけど、でも頑張って仕事したご褒美のようなものだから、本当に嬉しかった。そして「仕事を辞めたいな」という気持ちを、それでしばらくは繫ぎ止めるのだった。