仕事をしていたら日々ミスはあって当然……と言いたいところですが、人の命に関わる看護師業務においてミスは禁物です。
そこで今回の“看護師あるある”では、お笑いコンビ・天才ピアニストが「振り返ってみると経験して良かったミス」をテーマにトーク。おふたりに、ミスしたエピソードとそこから学んだことについて議論してもらいました。
口腔ケアの実習で流血ミス……!
ますみ:そうそう! 学生同士ペアになってお互いの歯磨きをしてあげるっていう実習やったのね。自分でする感じと同じようにペアの子の歯磨きをしたら、その子、めちゃくちゃ血出てきて、ちょっと泣いててん。
竹内:うわ〜! 普段のますみちゃんの磨く強さが、すぐ歯ブラシの花咲くくらいの強さやもんな。
ますみ:そやねん。「歯磨きってこうでしょ」ってテンションで、いつも通りに磨いただけだから「私、普段強めなんやな」って気づけたし、反省したわ。
竹内:実際に患者さんに実践する前に気づけてよかったわな。
ますみ:ほんまやで。相方の男子学生の子には申し訳なかったけど。
舞台でネタすっと飛ばし事件から学んだ“確認”の重要性。
竹内:経験して良かったミスといえば、芸人になってからもあるよな。一番覚えてるのは、福岡の劇場でのネタ飛ばし事件。
ますみ:あれは忘れられへんわ……。
竹内:初めて行かせてもらった劇場で、10分の尺のうち3〜4分間くらい全く思いだせへんくなったんよな…。
ますみ:そうそう! 「ちょっとごめんなさいね〜!」言うて、後ろ向いてお互い確認し合ったけど、ふたりともド忘れして。
竹内:その状況をお客様がおもしろがってくれたから助かったんやけど、お金払っていただいているのにパフォーマンスでお返しできないって大ミスやったな。
ますみ:劇場の支配人にも謝罪しに行ったよな。「次、頑張ってね」って言われて助かったけど。
竹内:何が怖かったって、あのネタ、何回もやってるやり慣れたネタなんよ。それでも忘れたわけやから、どんなに慣れた仕事でも確認せんとあかんなって、ほんまに反省した。
ますみ:ほんまやな。看護の仕事においてもそうやけど、確認ってほんまに大事。急ぎの対応せなあかんときって、先輩もドクターもテンパってるから「これってこういうことですか?」って聞きづらいんやけど、そこは重大なミスを防ぐためにも確認は怠ったらあかんねんな。
竹内:普通の仕事と違って「ミスしても、次に活かしたらええやん」ってわけにはいかへんもんな。
ますみ:せやねん。看護師のミスはヘタしたら命に関わるから、常に失敗は許されへんわけで。「ミスしといてよかった」「怒られといてよかった」って思えることは基本的にないねんな。
竹内:日常のちっちゃいミスをできるだけ減らして、大きいミスに繋がるのを未然に防ぐしかないんやろうな。
ますみ:だから確認することって大事なんやけど、一方で、「あんた、いちいち聞かんでええで」って先輩看護師に注意されたこともあって。
竹内:ますみちゃんの立ち位置的に、もう自分で判断できるでって意味だったんかもしれへんね。
ますみ:そう! だから一旦自分で確認して、調べてから聞いた方がええなって思ったわ。
竹内:まあ、緊急度にもよると思うけど、先輩に質問するってことは、先輩の時間をいただいてて、作業を止めさせてしまうことでもあるから、聞くこと・聞かないことのジャッジは必要かもしれんね。だからって「確認しなくてもいい」って思ってほしくはないけど!
ミスから学ぶことは多いとはいえ、命に関わる看護師業務の場合、そうは言えないのも事実。「とにかく日常の小さなミスに気をつけて、大きなミスを防いでいく」そう気を付けるしかなさそうですね。天才ピアニストの看護師あるある、次回もお楽しみに〜!
執筆:於ありさ、企画・編集:藤田佳奈美(TAC企画)