• 2022年9月27日
  • 2022年9月21日

“デキる看護師の特徴”について議論してみた【天才ピアニストの看護師あるある#7】

 

新人看護師にとって9月以降は、夜勤が始まり独り立ちするシーズン。

先輩の後ろ盾がなくなることで緊張するなか、「デキる看護師になりたい!」と決意を新たに頑張ってる看護師さんも多いのではないでしょうか。

左からツッコミの竹内知咲さん、ボケで看護師歴10年のますみさん(YouTube「天才ピアニスト公式チャンネル」より。以下同)

そこでナースプラスでは、現役看護師900人に「デキる看護師の特徴」についてアンケートを実施。

“看護師あるある”を展開するお笑いコンビ・天才ピアニストさんと一緒に「デキる人」を因数分解してみると、看護師として大切なことが見えてきました。

竹内も納得!デキる看護師は緊急時の判断が早い

出典:マイナビ看護師

竹内知咲(以下、竹内):デキる看護師の特徴で1番多い回答が、「緊急時などのイレギュラー対応が的確」(46.8%)やって。

ますみ:緊急時ほど、デキる看護師は輝くからな。それで思い出したけど、緊急時に輝くどころか、その場にいる全員がテンパる事件がありまして……

竹内:え、こわ。なに?

ますみ:新人看護師だった時の話なんだけどさ。テンパってる先輩が「心電図の電源コードを持ってきて!」って言うつもりが「心電図の電池持ってきて!」って言い間違いをしたんよ。

竹内:心電図が電池で動いてるわけないよな。

ますみ:せやねんけど、私も新人だから余計にテンパってて、「先輩!ちなみに電池は単三ですか?」なんて聞けへんくて。

よし、言われた通りにしようと思って、使ってない心電図本体の後ろの溝に爪立てて、無理やり蓋開けてバッテリーを引っこ抜いて持っていったことあるで(笑)。

「なにしてん」(竹内)

竹内:いやいやいや、心電図の後ろって人力でこじ開けられるの!?持ってこられた先輩もびっくりやろな(笑)。

ますみ:うん、先輩も「え、これ何〜?!?!」って驚いてたわ。結果間に合ったから良かったけども。

竹内:心電図のスイッチつけるどころか、バッテリー外してもうてるやん。話逸れたけど、緊急時の対応がデキてる人って、具体的にどんな人やろ?

ますみ:個人的には、素早い判断力と多重課題を同時にさばく力がある人を「デキるな〜」って思ってた。例えるならAEDの指示出しみたいに「あなたはこれを用意してください!あなたはご家族に連絡してください!あなたは医師へ連絡をしてください!」って複数の指示を瞬時にパンパンって言える人!

竹内:それはデキる看護師! かっこいいな。

ますみ:そういう人って、今必要なものだけやなくて、「この先、もしもこういうことがあったら」も予見した上で指示してたな。

竹内:そういう先見性があって判断力高い人って、シンプルに処置もうまそう。

ますみ:そやねん。そんで向上心も高いんやろなって思う。技術が上手いのも「よりよくデキるようになろう」っていう向上心のもと改善を重ねた結果だからだと思うしね。

デキる看護師の特徴に「定時帰宅」。患者さんからは冷淡に見えるんじゃ?

出典:マイナビ看護師

竹内:次に回答が多かったデキる看護師の特徴が「多重課題でも必ず定時で終わる」(22.6%)やって。

ますみ:たしかに!定時で帰宅できるんは、記録や報告を後回しにせず、隙間時間でこなしてる証拠やからな。「え? いつやってた?」って思うくらい、パパッと済ませてる人ってたまにおんねん。

「え、もう終わったん!?」(竹内)

竹内:なるほど! 

でも定時上がりやと業務時間内で記録してるってことだから、その分患者さんと接する時間が短かかったりはせえへんの?

ますみ:あ〜、たしかにデキる看護師でも、記録優先派”と“患者さんとのコミュニケーション優先派”はおる。ちなみに私は患者さんとのコミュニケーション優先派やった。

竹内:ってなると、いくらデキる看護師とはいえ、記録優先派って患者さんから見た時に、ちょっと冷淡に見えちゃいそうやな。

誰の視点で“デキる看護師”って定義するかやけど。

“患者さんとのコミュニケーション優先派”のますみ!

竹内:それに、“患者さんとのコミュニケーション優先派”から「“記録優先派”は患者さんとのコミュニケーションとってへんから早く帰れるなんて不平等やん」って不満が出えへんのかなって思っちゃう。

ますみ:うーん……記録と違って、患者さんとの業務以外でのコミュニケーションは絶対にしないといけないことではないから、文句は言えへんけどな。

ただ、“記録優先派”からしても、“患者さんとのコミュニケーション優先派”に対して言いたいことがあると思うで。

竹内:なんやろ?

ますみ:私が新人看護師やった時、患者さんに寄り添ったケアを重視したくて、記録は定時以降にやってたんやけど、記録優先派の先輩から「まだ仕事終わってないの?何してんの?」ってツッコまれることも多かってん。

それで、決められた時間内でやることも大事やなって思い直したんよ。

竹内:なるほどな。たしかに記録ははよやらんと、夜勤や日勤で引き継ぐナースさんも困るしな。

ますみ:そやねん。それに定時後に記録やってると帰りが遅いし、睡眠時間を削ることになって、翌日に響くんよな。そうなると、患者さんのためやと思っていたのに、記録後回ししたせいでパフォーマンスが下がって、結果、患者さんにも迷惑かけることになりかねへんなって学んだ。

竹内:そう聞くと、時間内にやるって大事やな。ともすると、結局デキる看護師いうたら記録優先派の定時で帰る人になるんか?

ますみ:“定時上がり記録優先派”タイプのデキる看護師は、主任さんになったり指導担当になったり、いわゆる出世コースを歩む。

その一方で、“患者さんとのコミュニケーション優先派”タイプのデキる看護師は、認定看護師や専門看護師みたいな職人コースに進んだり、委員会の中心になったりするねん。

だから、出世する看護師だけがデキる看護師、良い看護師って訳ちゃうねん。

竹内:なるほどな。それって芸人にも言えそうやな。デキる芸人って上手くいじってくれる人のことをいうやん? でも、めちゃくちゃ緊張してる私たちに一言かけてくれたり、カメラ回ってなくても話振ってくれたりする人って、デキる芸人とは違うかもやけど、後輩からしたらありがたいもんな。

ますみ:ほんまにそう! 誰からみて“デキる”と思うのかによって、“デキる”の定義は違ってくるねん。

せやから、デキる看護師を目指すというよりも、自分がなりたい看護師を目指すことが大事なんちゃうかな?

竹内:“なりたい看護師”と“向いてる看護師”も違うだろうしな。

記録もコミュニケーションも全力で頑張ってみたら適性が分かりそうだし、適性が分かれば目指すべき看護師像や、そうなるための道筋も見えそう!


「デキる看護師になりたい」と思う人は多いはず。ただ、天才ピアニストのおふたりが話すように、大切なのは自分がなりたい看護師像に近づくこと。自分がどういう看護師になりたいか、看護観を振り返りながら考えてみるといいかもしれませんね。天才ピアニストの看護師あるある、次回もお楽しみに〜!

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執筆:於ありさ、企画・編集:藤田佳奈美(TAC企画)

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