• 2022年3月28日
  • 2022年9月13日

先輩看護師に聞いてみた!新人看護師に求めていること第1位は……?

 

「先輩は、私たちにどんなことを求めているんだろう?」

新人のとき、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。そこで、現役の先輩看護師515名に「新人看護師に求めることってどんなこと?」をテーマに、アンケートを実施しました。

事前に求められていることへのアプローチ方法が分かれば、不安が少し和らぐはず。4月から新人看護師になる人は必見です!

新人看護師に求めること第1位は「積極的に学ぼうとする姿勢」

マイナビ看護師調べ (集計期間:2021年2月10日〜 2月17日、投票数515票)

アンケート結果によると、最も多かったのは「積極的に学ぼうとする姿勢」と回答した人で、全体の31.2%でした。次点で「分からないことをすぐに聞ける素直さ(27.7%)」、「社会人としての言葉遣い・マナー(26.5%)」という結果に。

一方で、「厳しい指導でもへこたれない強さ」「先輩を怖がらず何度も確認する姿勢」「話しかけるタイミングを図って欲しい!」を選んだ人は少なく、どれも5%以下。入職したらまずは上位3つを押さえておくと良さそうです。

総じて求められるのは「社会人としての基本的な姿勢」

また、アンケートに寄せられたコメントから、先輩看護師が新人看護師に求めているのは、看護としてのスキルよりも「社会人として基本的な姿勢」であることが分かりました。(※以下コメント抜粋)

「自分の状況を説明してから相談してほしい」
どこまで分かっていて、どこからが分からないのか、新卒さんご自身の理解度を教えて貰えると、先輩方は新卒さんの個々の能力や知識に寄り添ったアドバイスができるかと思います。新卒さんにとっても、的確なアドバイスが貰えるはずです。

先輩に話をするだけでも緊張するかもしれませんが、聞くは一瞬の恥、知らぬは一生の恥。質問する時や話しかける時には『お時間よろしいですか?』など、お伺いも忘れずにすると◎です。応援しています!

かなり具体的なアドバイスなので、ぜひ参考にしてください。

ほかにも、こんなコメントが。

「へこたれずに食らいついてきてほしい」
今コロナで実習ができていないため、先輩との関わり方がわからないのは仕方ないけど、耐性がないのか、すぐに泣く、師長に愚痴を言う、1週間休むがルーティンになっている方が多い気がする。

「まずは大変でも毎日職場に来ることが大事」
ちゃんと毎日職場にきてメンバーの一人として少しずつ成長できればそれでよし。今は厳しい先輩たちも新人時代はもれなくへっぽこ(自分含めて)だったし、成長のスピードは人それぞれ。看護師としての成長も大切だけど、社会人として素敵な存在になってほしいです。

うまくいかないのは当たり前。だからこそ、落ち込んで引きずるのではなく、「分からないことはすぐに聞くこと」「1つでも多く学ぼうとすること」がとても大切。4月からは、そういった能動的な姿勢で臨むと良さそうです。

先輩看護師に聞いてみた!新人時代に実践しておくべきこと

分からないことがあっても、腐らず学ぶ姿勢が大切なことは分かりました。とはいえ、先輩に質問するタイミングや聞き方のコツ、学び方など、具体的なアプローチ方法に悩みますよね。そこで現役の先輩看護師に、新人時代に実践しておいて良かったことについてアドバイスをいただきました!

分からないことを聞くのが新人の仕事

 看護師歴6年
循環器科勤務
Oさん
私も新人時代は、先輩の顔色を伺って「分かりません」となかなか伝えられませんでした。でもある日、プリセプターから「『分かりません』『不安です』とはっきり言うのも、新人の仕事のひとつ。不安や疑問を隠そうとしないでほしいと言われたんです。

先輩は過去に、曖昧な知識や中途半端な技術のせいで、患者さんの命にかかわる重大なミスをしてしまった経験があるそうです。それを聞いて以来、私は質問しない方がマイナスだと考えるようになりました。

質問するタイミングは、あらかじめ先輩に予定が空きそうな時間を聞いておくと良いとアドバイスをもらいました。

できること・できないことを可視化して、自信をつけていく

 看護師歴11年
                                             ICU勤務
                                             Tさん
私は、新人時代に「学びノート」を1冊作り、プリセプターやその日の指導者に見てもらっていました。

そこには「その日教えてもらったこと」「理解はできたけど実践は不安なこと」「まったく分からなかったこと」の3つを具体的に書くんです。家に帰ったら、分からなかったことを中心に復習。完璧に理解できて、もう実践できると思えたことには、赤いペンで大きく丸をつけるようにしました。

学びと自分の現状を書き起こして整理することで、自分の得手不得手も把握できますし、先輩にも学ぶ意欲が伝わるはず。赤い丸が増えていくたびに自信にもつながるので、新人看護師さんにはぜひおすすめです!

Tさんに当時の学びノートを再現してもらいました。
ノートは横にして各項目の幅を広くすると書き込みやすいとのこと。

“教えられ待ち”をやめたら先輩ともうまく協働できるようになる

 看護師歴8年
呼吸器内科勤務
Wさん
私が新人時代にやっておいて良かったのは、先輩に学びたい思いを伝えることです。

先輩から「Wさんは、人から教えられるのを待っている気がするよ」と言われたことがきっかけでした。

すごく悔しかったので、翌日から朝の申し送りのときに「○○の技術を学びたいので、もし受け持ち患者さんで該当する方がいらっしゃったら、見学させてください」と伝えるようにしたんです。先輩達に同時に伝えられるタイミングはそこしかなかったので、勇気を振り絞りました。

でもそのおかげで、「これまだ経験浅いって言ってたよね?これからやってみる?」と先輩に声を掛けてもらえるようになったんです。

先輩に学びたいことを伝えるだけで、成長のチャンスも、先輩との信頼関係も、どちらも得られますよ!

素敵な先輩の言葉遣いをマネする

 看護師歴3年
整形外科勤務
                                              Mさん

新人時代は目上の人や患者さんへの言葉遣いやマナーに不安がありました。
そこで実践したのが、素敵な先輩のマネをすることです!

患者さんの部屋を一緒にラウンドする時や検査説明の時、申し送りの時などにおける、先輩の話し方やコミュニケーション方法に注目して、「良いな」と感じたところはすぐにメモを取っていましたそうしたらきっと1ヶ月ほどで言葉遣いやマナーへの不安はなくなると思います!

先輩看護師から求められていることを意識して、有意義な1年にしよう

4月から始まる看護師としての道。不安なことは多いかもしれませんが、先輩看護師が求めていることは、決して難しいことではありません。一つひとつこなして、有意義な1年目だったと思えるようにしましょう!

企画・執筆:内山直弥(TAC企画)、編集:藤田佳奈美(同)

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