• 2021年10月4日
  • 2021年11月24日

申し送りで連携すべき内容と伝え方のコツを紹介

 

「申し送りでは何を伝えたら良いの? 」「どうしたらわかりやすく伝えられる? 」と、申し送りに苦手意識を持っている方も多いでしょう。申し送りは後任者が業務を引き続き行えるように、必要な情報を具体的に伝えるのがポイントです。

この記事では、申し送りをスムーズに行うためのコツを5つ紹介。申し送りノートを書くときのポイントもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

申し送りとは

申し送りとは、前任者から後任者へ業務の進捗や指示などの情報を伝えることです。主に看護・介護業界や警備職、営業職など、シフト制の職場や業務を数人で分担する仕事で行われています。

「申し送り」と「引き継ぎ」を同じ意味合いで使う方もいますが、実際には異なります。申し送りは業務を行ううえで「必要な情報を伝えること」です。一方、引き継ぎは「他の人がしていた作業を代わりに行うこと」を指します。

情報を伝える申し送りと作業を代わりに行う引き継ぎは、それぞれ意味合いが異なるので使う際には注意しましょう。

なぜ申し送りを行うのか?

申し送りを行う看護師の女性

日勤者から夜勤者、夜勤者から日勤者というように、シフト制の職場で申し送りは欠かせません。中でも看護現場はシフトの交代時だけでなく、外来や病棟、手術室、検査部門など患者を移動するたび申し送りを行います。看護現場で申し送りが重要視されている理由は、以下のとおりです。

  • 起こったことや患者の様子を次の担当者に伝えるため
  • 担当医師からの指示を伝えるため
  • 安全で確実な検査や処置を行うため
  • 患者からの要望に対応するため
  • 質の良い看護を提供するため

申し送りで大切なのは、情報を正しく伝えることです。患者の様子や医師からの指示、必要な処置を申し送りで確実に伝えることで、後任者が継続して看護を提供できます。もしも、申し送りが不十分だった場合、必要な処置が行われなかったり医療ミスが発生する可能性があります。また、厚生労働省が発表した「総業務時間における各業務時間の占める割合」においても、看護師間の申し送りは、割く時間が4番目に多い業務とされています。看護現場において、申し送りは重要な取り組みのひとつなのです。

参考:看護職員の就業状況等について – 厚生労働省

看護師が申し送りで伝えるべき内容

申し送りのアドバイスを受ける看護師

ここでは、看護師が申し送りで伝えるべき内容を「入院中の患者の場合」と「新規の入院患者の場合」に分けて紹介します。

入院中の患者の場合

入院中の患者の申し送りで伝えるべき内容は、以下のとおりです。

  • 患者の容体について
  • 治療や処置を行った際の状態や結果
  • インフォームドコンセントの内容
  • 担当医師からの指示や変更内容
  • 尿量、排泄回数、飲水量、点滴残量、食事量について

入院中の患者の申し送りを行う場合は、「305号室のAさんですが、術後のバイタルは安定しています。しかし、精神的に不安を抱えているため退院までの流れを再度説明しました。担当医からの指示により、16時30分に△△の点滴を〇ml投与しています。次は4時間後の20時30分に、△△の点滴を〇ml投与するようお願いします」というように、容体や指示について詳しく伝えるようにしましょう。

新たな入院患者の場合

新規の入院患者の申し送りで伝えるべき内容は、以下のとおりです。

  • 氏名、年齢、性別などの個人情報
  • 移送区分(担送、護送、独歩等)
  • 現病歴
  • 既住歴
  • アレルギーの有無
  • 検査データ
  • インフォームドコンセントの内容
  • 担当医師の指示内容

新規の入院患者の申し送りを行う場合、まずは患者の氏名や年齢、性別、病名、アレルギーの有無などの基本的なデータを伝えましょう。さらに、インフォームドコンセントの内容や治療方針、担当医師からの指示を合わせて伝えます。入院中の患者と同じように、時間や数値を詳しく伝えるのがポイントです。

看護師が申し送りをスムーズに行うための5つのコツ

申し送りをスムーズに行う看護師の女性

ここでは、看護師が申し送りをスムーズに行うためのコツを5つ紹介します。申し送りのコツを掴んで、的確でわかりやすく伝えられるようになりましょう。

1.伝える内容や要点をメモしておく

勤務中に起きた出来事や患者の様子、担当医師からの指示は、適宜メモをしておきましょう。

メモをする際は、「いつ(when)・どこで(where)・だれが(who)・何を(what)・なぜ(why)・どうした(how)」の5W1Hを意識して書くのがポイントです。

見返したときに内容を把握しやすいだけでなく、物事を正確に伝えやすくなります。

2.結論ファーストで伝える

物事は時系列順に話すのではなく、まずはじめに結論や重要事項を伝えるのがポイントです。結論を伝えてからいきさつを説明することで、聞き手も内容を理解しやすくなります。

また、「○○の可能性がある」「○○をしたほうが良い」など、推測や自身の意見は最後に伝えるようにしましょう。推測や意見を事実と混同して話してしまうと、引き継ぎ相手が混乱する可能性があります。そのため、「ここからは私の意見ですが」というように一言置いて、最後に伝えるのがおすすめです。

3.伝える項目をフォーマット化する

申し送りをスムーズに行うために、伝える項目をフォーマット化しておくのもおすすめです。「体温→血圧→脈拍→呼吸→食事→排泄→患者や家族からの要望」というように、毎回決まった項目を順番に伝えることで、連携漏れを防げます。

4.はっきりと聞き取りやすいように話す

申し送りをする際は、ボソボソ話さずに明るく大きな声で伝えましょう。ノートやメモを読むために下を向くと、のどが絞まったり声が籠もったりしてしまうので、前を向いて歯切れ良くハキハキと話すのがポイントです。

なお、早口で話すと聞き手の頭に内容が入りづらくなってしまいます。そのため、気持ちゆっくりめに話すように意識すると良いでしょう。

5.先輩の申し送りを参考にする

申し送りが上手な先輩を参考にするのも、ひとつの手です。「優先して伝えていることは何か」「どのくらいのスピードで話しているか」「なぜわかりやすいのか」などを考えて、良いところを積極的に取り入れましょう。

申し送りノートを書くときの3つのポイント

申し送りは言葉で伝える以外に、ノートに書いたりパソコンのシステムに入力して伝える方法もあります。ここでは、申し送りノートを書くときのポイントを3つ紹介。わかりやすい申し送りノートの書き方をマスターしましょう。

1.時系列で書く

申し送りノートを書く際は、時系列順に書きましょう。順を追って書くことで、視覚的に物事を理解しやすくなります。口頭で伝えるときは結論ファースト、ノートに書くときは時系列順にするのがポイントです。

2.具体的に書く

時間や数値などは、具体的かつ正確に書くようにしましょう。たとえば、点滴の場合「14時30分に△△の点滴を投与」ではどのくらいの量が投与されたのかわかりません。また、「△△の点滴を50ml投与」ではいつ投与したのかが不明です。後任者が継続して患者のケアを行うためにも、「14時30分に△△の点滴を50ml投与」というように正確な時間と数値を記載するようにしましょう。

3.所感は最後に書く

口頭で申し送りをする際と同様ですが、所感は最後に書くようにしましょう。事実と混同して書いてしまうと、相手に内容が伝わりにくくなってしまいます。時系列順に事実を書いたあとに、「今後○○の可能性があります」など、最後に所感を付け加えるようにしましょう。

まとめ

看護師はもちろん介護職や営業職、警備職の人にとって、業務を行うために申し送りは欠かせません。申し送りをする際は、具体的かつ正確な情報をわかりやすく伝えるのが大切です。重要事項を適宜メモしたり、先輩の申し送りを参考にするなどして、申し送りをスムーズに行えるようにしましょう。

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