• 2020年1月27日
  • 2021年10月12日

2019年看護師冬のボーナス 2018年と比べて高かった?低かった?

 

令和初となる冬のボーナスはいかがでしたでしょうか? 今回は、2018年の冬のボーナスの傾向を踏まえて、2019年のボーナスが前年に比べてどのように推移したかを見てみましょう。

2018年までの冬のボーナスは、3年連続で増加するも「医療・福祉系」は減少

まずは、厚生労働省が2019年2月に公表した「毎月勤労統計調査」をもとに、昨年の社会全体の冬のボーナスはどうだったのかをみてみましょう。

2018年の冬のボーナス(2018年11月~2019年1月の間に特別に支払われた給与のうち、賞与として支給された給与を特別集計したもの・事業所規模5人以上)の全体の支給額は、前年比で1.0%増えて38万9926円となりました。
過去の支給額を見ると、平成27年の冬のボーナスは前年比で減少しましたが、その後は3年連続で前年を上回っています

賞与の前年比の推移(事業所規模5人以上)

一方、産業別の冬のボーナス支給額を見ると、全体が増加傾向にある中、「医療・福祉」の支給額は前年比2.4%減の30万9561円と、少し残念な結果になりました。

看護師・准看護師の冬のボーナス支給額の傾向は?

続いて、厚生労働省が2019年3月に発表した「平成30年賃金構造基本統計調査」(※1)の結果をもとに、看護師・准看護師の昨年冬のボーナス支給額をみてみます。

看護師(女性)のボーナス

准看護師(女性)のボーナス

・平成30年賃金構造基本統計調査より
・ボーナス金額は「年間賞与その他特別給与額」の半分として計算
・企業規模計10人以上のデータより算出

支給額の増減を比較するために、2017年における看護師・准看護師の昨年の冬のボーナス支給額(※2)についても紹介しておきます。

看護師(女性)のボーナス 

准看護師(女性)のボーナス

・平成29年賃金構造基本統計調査より
・ボーナス金額は「年間賞与その他特別給与額」の半分として計算
・企業規模計10人以上のデータより算出

2018年の冬は、「医療・福祉」のボーナス支給額が前年比で減少する中で、看護師・准看護師の支給額は増加していました。勤続年数別でみると、看護師は勤続年数が長いほど支給額が増加する傾向に。准看護師は勤続年数が5年~14年の中堅スタッフを中心に支給額が伸び悩む傾向にありました。

看護師みんなの冬のボーナスは上がった? 下がった?

後に、2019年8月に公表された「令和元年人事院勧告」をもとに、社会全体としての冬のボーナス支給額の傾向についてお話しします。

2019年8月7日に公表された「令和元年人事院勧告」では、民間企業のボーナスの支給割合が国家公務員の支給割合を上回っていることから、国家公務員のボーナス支給額を従来の4.45カ月分から4.50カ月分に引き上げることを勧告しました。また、民間では業績が好調な企業を中心に人材確保の動きを強めており、賃金引き上げの動きが見られます。

【人事院勧告とは?】
労働基本権が制約され、給与など勤務条件の改定に自ら関与できない国家公務員のため、第三者機関の人事院が国会と内閣に必要な見直しを求める制度のこと。「令和元年人事院勧告」では、国家公務員と民間企業の給与格差を埋めるための勧告を行い、ボーナスについては、「民間の特別給(ボーナス)の過去1年間(前年8月から当年7月まで)の支給実績を精確に把握し、民間の年間支給割合に国家公務員の特別給(期末・勤勉手当)の年間支給月数を合わせること」としています。

このように、社会全体に世の中全体に賃上げの動きがみられること、そして2018年に「医療・福祉」のボーナス支給額が減少する中で、看護師・准看護師の支給額が増加していたことを考えると、2019年の冬はボーナスアップに期待してよいかもしれません。みなさんのボーナスはいかがでしたでしょうか?

【参照】
※1 厚生労働省 平成30年賃金構造基本統計調査
※2 厚生労働省 平成29年賃金構造基本統計調査

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