• 2018年2月5日
  • 2021年11月12日

【腰痛改善】4つの簡単エクササイズ

 

看護師の職業病の定番「腰痛」 看護師の職業病といえば「腰痛」です。厚生労働省の調査によると、業務上疾病の約6~7割を腰痛が占めているそうです。中でも看護師は「患者さんの生命に関わる仕事だから」、「職業病だから」と考え、休まずに無理をしてしまう傾向にあるようです。 ここでは、『あきカイロプラクティック治療室』の副院長として、肩こりや腰痛をはじめ体調不良を抱える方の施術を行うほか、テレビ・ラジオ・雑誌など多方面で活動中の檜垣 暁子先生に、腰痛を改善する効果的で簡単なエクササイズを紹介していただきました。簡単エクササイズで、つらい腰痛の予防、緩和をしましょう!

参考
■労働者健康福祉機構:平成27年度版労働衛生のハンドブック、2015
■厚生労働省、中央労働災害防止協会:医療保健業の労働災害防止(看護従事者の腰痛予防対策)、2015
■日本医療総合研究所:急性期一般病院における看護職員の腰痛・頸肩腕痛の実態調査、2012
■日本看護協会:病院看護職の夜勤・交代制勤務等実態調査、2010

心の状態も腰痛の回復を遅くさせてしまう要因に!?

日常生活において、腰痛を訴える人はとても多くみられます。
腰痛の程度には個人差がありますが、「仕事でスムーズに動けず困ってしまう」「朝、目覚めると腰が痛くて気分よく起きることができない」「ひどい腰痛を経験してから、再発が怖くて腰をかばいがち」といった話しは少なくありません。

病院でX線などの検査をしても原因がはっきり特定できない腰痛(非特異性腰痛)は腰痛全体の約85パーセントを占めると言われています。原因がわからないとはいえ、腰の痛み・違和感・不安感が生じるとちょっとした動作にもブレーキがかり、仕事を始めとする日々の生活にも支障が出るケースもあります。また、腰痛がなかなか快方に向かわず、焦りを感じいつも腰の状態が気になって気持ちが沈みがちになってしまう人もいます。心の状態も腰痛の回復を遅くさせてしまう要因になるケースがあるため、なるべくこじらせることは避けたいものです。

疾患が特定されない腰痛の多くは、仕事を含め日常生活の過ごし方に関わっている場合が多いと考えられます。たとえば、多忙かつ緊張が続く仕事をしながら、無理な姿勢・動作を繰り返したり、心身の休息時間が確保できず、ストレスも溜めこんだり……といったことが姿勢を支える筋肉の機能低下につながり腰部の負担へとつながるかもしれません。
なんとなく腰が重だるいと不調を感じる人もいますが、気持ちが張りつめていると疲労感も隠されてしまい、突然ぎっくり腰に見舞われ「疲労のしわ寄せが腰へきていたのか」と気づく人もいます。

参考 ■What can the history and physical examination tell us about low back pain??JAMA 268: 760-765, 1992

筋肉の緊張をほぐすポイントは「深呼吸」

腰の疲れをためこんでしまう前に、とくに症状を感じていなくても、腰部の負担は和らげておくことが大切です。
すでに腰の不調を抱えているという人は、無理をしない程度からエクササイズをスタートさせて、腰部・骨盤付近の筋肉を刺激し、過度な筋緊張をほぐしてみましょう。また、腰痛が慢性化している人や毎日慌ただしく過ごしているという人は、腰部以外の部分へも筋緊張がみられたり、呼吸が浅くなったりと影響を及ぼしている可能性があります。全身的にリラックスを促すためにも「深呼吸」をエクササイズの前後や就寝前、仕事の合間などに5~10回ほど繰り返すこともオススメいたします。

日常生活にエクササイズを取り入れよう!

日々の多様なストレスから背中の筋肉が疲労しがちになり、腰部をはじめ姿勢を保持する機能が低下してしまいます。
重心線がずれていくことで腰部の負担も増し、腰痛など腰の症状へつながる心配があります。ご紹介する4つのエクササイズは、姿勢を楽にして腰部への負担を和らげます。
4つを順番に行っても、休憩時間に行えそうなものを選んで行ってもよいので、無理せず日々の生活の中へ取り入れてみましょう。

腰の負担を和らげるエクササイズ その1~骨盤を意識

【1】骨盤を意識する目安として、立ち姿勢でウエストラインから骨盤横へ指先が下を向くように手をそえます。
【2】慣れると立ち姿勢でも行えますが、感覚をつかむために、まず座り姿勢で行います。 指先が前方へ向くように腹筋を使い、みぞおちとオヘソが近づくように5秒間キープします。
【3】オヘソを正面へむけ背スジを伸ばす意識で骨盤を立て5秒間キープします。
【2】と【3】を3~5回繰り返します。

腰の負担を和らげるエクササイズ その2~脚の付け根のばし

【1】両足を大きく前後に開きます。
【2】後方の膝を床へ近づけるよう下げ、骨盤前面~脚の付け根を約20秒間伸ばします。
左右行いましょう。

腰の負担を和らげるエクササイズ その3~背骨を意識

【1】四つんばいの姿勢になり、オヘソを床へ近づけるよう、ゆっくりと動かします。
【2】背が天井へ近付くよう背骨でアーチをつくる意識で動かします。
【1】と【2】を3~5回繰り返します。

腰の負担を和らげるエクササイズ その4~腰上げ

【1】仰向けで横になり両膝を立て、5~10秒間腰を持ち上げます。そのとき、お尻が下がらないように気をつけましょう。
【2】ゆっくりとお尻を床に戻し、腰部を床に押しつけるよう腹筋に少し力を入れてみましょう。5秒間押し付けたら脱力します。
【1】と【2】を3~5回繰り返します。

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