いよいよスタート!【つみたてNISA】ってどうやって始めたらいいの?
日本人の持つ金融資産は、海外に比べると預貯金に偏っているといわれています。そこで政府は、個人の資産形成を促す仕組み「NISA(ニーサ)」を導入して、「貯蓄から投資へ」の流れをすすめてきました。そして今年の1月には新しい制度「つみたてNISA」がスタートし、さらに投資を始めやすくなりました。今回は「つみたてNISA」について、始め方やポイントなどをご紹介します。
つみたてNISAとこれまでのNISAの違いを教えて!
株式や投資信託などに投資をした場合、売却益や受け取った配当金・分配金には約20%の税金がかかりますが、つみたてNISA で購入すると、これまでのNISA同様に売却益や配当金・分配金に税金がかかりません。しかし、つみたてNISAとこれまでのNISAには次のような違いがあります。
(1) 運用方法が違う
これまでのNISAは自由に投資できましたが、つみたてNISAは積み立て方式で運用します。
(2) 年間の非課税枠の上限が違う
これまでのNISAの非課税枠は年間120万円でしたが、つみたてNISAの非課税枠は年間40万円です。
(3) 非課税期間が違う
これまでのNISAの非課税期間は5年間でしたが、つみたてNISAの非課税期間は20年間です。
(4) 運用の対象が違う
これまでのNISAは投資信託だけでなく、株式やREIT(不動産投資信託)などでも運用できましたが、つみたてNISAでは積み立てに適した一定の投資信託に限られます。


つみたてNISAに向いているのはどんな人なの?
非課税期間が長いつみたてNISAに向いているのは、次のような考えや、悩みを持っている人です。
小額から投資を始めたいと考えている人
金融機関によっては数百円から積み立てができるので、まとまったお金がなくても投資を始めることができます。
貯金が苦手で、なかなかお金が貯まらないと悩んでいる人
少額で始められるつみたてNISAは無理なく積み立てができるので、貯金が苦手な人でも上手に資産形成ができます。
投資の知識がないので、何を買ったらいいのかわからないという人
つみたてNISAでは、口座を開設した金融機関が用意した投資信託に投資をします。資産運用のプロが運用してくれるので、専門的な金融知識がなくても投資を始めることができます。
つみたてNISAを始めるときの注意点は?
つみたてNISAは、金融機関にNISA口座を開設してから始めます。そのときには次のことに注意をしましょう。
(1) 金融機関によって投資できる投資信託の種類が違う
つみたてNISAで投資できるのは、2018年1月現在で135本の公募投資信託と3本のETF(上場投資信託)ですが、その中からどれを取り扱うのかはそれぞれの金融機関が決めています。どの金融機関でも同じ投資信託に投資できるわけではないので、口座を開設する前に、各金融機関が取り扱っている投資信託の種類を確認しておきましょう。
(2) NISAと、つみたてNISAのどちらかを選ぼう
これまでのNISAと、つみたてNISAは併用できません。投資をする年ごとにNISAとつみたてNISAのどちらかを選ぶことができますが、いったん投資を始めるとその年は変更できなくなります。
(3) 非課税枠を有効に使おう
つみたてNISAの非課税枠は40万円ですが、使い切れなかった非課税枠は翌年に繰り越せません。ボーナス時に積み立て額を増やすなどして、非課税枠を有効に使いましょう。
(4) 損失が出ると通常の投資よりも不利になることも
株式投資などで損失が出た場合は、利益と損失を確定申告で相殺する仕組み『損益通算』を利用できますが、つみたてNISAは損失が出ても損益通算ができません。資産を売却したときに、NISA口座を使わないほうが有利になる可能性があることは認識しておきましょう。