• 2017年11月17日
  • 2021年11月16日

どんな準備が必要? 「年末調整」の基礎知識

 

そろそろ年末調整のシーズンが始まります。年末調整の時期が近づくと、勤務先から渡された書類によくわからないまま記入して、提出している人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、年末調整の基本的な意味や、注意しなければいけないポイントなどをご紹介します。

そもそも年末調整って?

年末調整とは、毎月の給料から引かれている税金を、1年間の所得に応じて計算し直し、年末の給料で調整することです。それまで税金がたくさん引かれている人はお金が戻ってきますし、税金がたりない場合には年末のお給料から引かれます。 年末調整のときに会社へ提出するおもな書類は次の2つです。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
扶養家族の状況を記入する書類で、扶養控除などの確認をします。年の途中で扶養家族が増えると年末調整で戻ってくる税金が増えますが、扶養家族が減ると税金を引かれることが多くなります。

給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書
1年間に自分で支払った生命保険料や社会保険料などを申告して、保険料控除を受けるための書類です。配偶者の収入による配偶者特別控除や住宅ローン控除などもこの用紙で申告します。

年末調整でこれらの申告書を提出すると、勤務先が控除額をもとに税金を計算してくれるので、次の年に確定申告をする手間が省けます。

年末調整をするのはどんな人?

年末調整の対象になるのは正社員だけとは限りません。パートや派遣社員など雇用形態に関係なく、年末の時点でその職場で働いている人すべてが対象です。 ただし、年末調整をしても、確定申告が必要になるケースがあります。 たとえば、年末時点で複数の勤務先で働いている「Wワーカー」の方は、メインの勤務先で年末調整をしても、ほかの勤務先の所得と合算して計算しなければならないので、確定申告をしなければなりません。また、医療費控除やセルフメディケーション税制(医療費控除の特例)、ふるさと納税の寄付金控除などを受けるためにも確定申告が必要になります。

年末調整で準備するものは?

年末調整にはさまざまな準備が必要です。以下に、おもなものをご紹介しておきます。

保険会社から届いた証明書
生命保険料控除や地震保険料控除を受ける方は、保険料の支払いを証明する書類を用意しておきましょう。基本的に証明書は10月から11月にかけて保険会社から送られてきますが、地震保険料控除の証明書は地震保険を契約した火災保険の保険証券についている場合があります。もしも見つからないときには、保険会社に連絡をして、早めに取り寄せておきましょう。

社会保険料控除を受けるための領収書や証明書
社会保険料控除の対象になるのは、健康保険や国民健康保険、厚生年金や国民年金などの保険料です。お給料から引かれている場合は用意する必要はありませんが、自分で保険料を支払っている方や、過去に未納だった保険料を支払った方、扶養しているお子さんの保険料を負担した方などは、金額がわかるようにあらかじめ用意しておきましょう。

住宅ローン控除を受けるための証明書
住宅ローン控除を受ける方は証明書などの用意が必要です。なお、控除を受ける1年目は年末調整ではなく、自分で確定申告をする必要があります

転職をした人は前の勤務先からもらった「給与所得の源泉徴収票」
その年に転職をした方は、前の勤務先からもらった「給与所得の源泉徴収票」を年末調整で提出しましょう。それまでにもらった給料や、それまでに支払った社会保険料・税金などを一緒にして税金を計算してくれます。

年末調整に必要な書類が見つからず、直前になって書類の再発行を頼むと、年末調整の締め切りまでに間に合わないことがあります。わからないことは職場の担当者に聞きながら、早めの準備を心がけましょう。

文:FPライター 斉藤 勇

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