• 2015年9月22日
  • 2021年11月16日

今さら聞けない給与明細の項目2 ~手当とは?~

 

給与明細の支給項目は大きく「所定内給与」と「所定外給与(超過労働給与)」に分かれており、これらを合わせたものが支給総額となります。今回は、「所定内給与」「所定外給与」それぞれに含まれている看護師ならではの手当についてご紹介します。

所定内給与とは

所定内給与とは、事業主(会社や病院など)が定めた支給条件や算定方法によって支給される給与のうち、夜勤手当や超過勤務手当などの所定外労働給与以外のものを指します。一般的に「基本給」と「各種手当」に分類されており、代表的な各種手当には以下のものがあります。

資格手当
看護師、准看護師、保健師、助産師などの資格に対して支払われる手当です。

調整手当
給与の調整を必要とするときに支給される手当です。勤続年数や年齢の考慮、ほかの職員との均衡を図るなど、給与規定に該当しないものに対して支払われます。調整手当は事業主が独自で設定していることが多いため、疑問に思うことがあれば人事や経理の部署に問い合わせるとよいでしょう。

役職手当
師長・主任・リーダーなど、役職者に支払われる手当です。管理職手当、職責手当とも呼ばれます。

所定外給与とは

所定の労働時間を越えた労働に対して支払われる給与です。休日労働や深夜労働の手当もこちらに含まれます。

時間外手当(超過勤務手当、残業手当)
原則的に週40時間、1日8時間を超える就労は時間外労働となり、労働基準法では給与の25%以上を支払うことが定められています。基本的な計算方法は「(基本給+諸手当)÷所定労働時間×1.25以上×残業時間」ですが、この計算式の「諸手当」には通勤手当や家族手当、住宅手当などは含まれないので注意しましょう。

夜勤手当(深夜手当)
22時から5時の間に勤務をする場合、給与の25%以上の賃金が支払われます。残業が深夜まで及んだ場合には、通常の割増にさらに深夜割増が加算されます。看護師の場合、各医療施設の規定により、「夜勤手当○○○円/回」などのように定額で規定されていることが多いようです。

休日手当
土日祝日に勤務する際に支払われる手当です。給与の35%以上を支払うことが労働基準法で義務付けられています。

交代勤務手当
医療機関によっては、夜勤手当とは別に、交代制で勤務している人に対して手当がつく場合があります。ただ、法律で義務化されているわけではないので、一般的には支給されないことが多いようです。

危険手当
日常の業務において、身体的・精神的にかかる負担が大きいことを想定した手当です。主に精神科や手術室勤務の看護師に支給されます。特殊業務手当、手術室勤務手当とも呼ばれます。

待機手当(拘束手当)
訪問看護師や特別養護老人ホーム、手術室の看護師など、緊急の呼び出しに備えて自宅待機している場合に支給される手当です。実際に現場に出向いた際、待機手当とは別に「呼出手当」がつくこともあります。

2回にわたってお届けした「給与明細の項目」、いかがでしたか?
労働の対価として支払われるお給料。毎月どのような計算で支給されているのか、きちんと把握しておきたいですよね。今月の給与明細から、ぜひチェックしてみましょう!

文:看護師/カウンセラー 坂口千絵

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