今さら聞けないもしものときの防災対策
家の中の安全対策
家の中の安全対策としていちばん重要なのは、「家具の転倒や落下を防ぐこと」です。 阪神・淡路大震災では、住宅内でのケガの約半数が家具の転倒・落下によるものだったというデータもあります。家具転倒防止器具(L型金具やベルト式器具)を活用し、しっかりと家具を固定しておきましょう。
事情があって今すぐには固定できない場合は、滑り止めシートなどを家具の下に敷いたり、避難の妨げにならないように家具の配置を換えたりして、安全対策を工夫しましょう。
災害発生時の行動の仕方
緊急地震速報のお知らせがきたり、大きな揺れを感じたりしたときには、身の安全を守ることが最優先です。できる限り大きな家具やガラスから離れ、落下物による頭部打撲を避けるため、クッションで頭を守るようにしましょう。
大きな揺れが収まったら、引き続き身の安全を確保しながらガスの元栓を閉めるなど、防火対策を行います。合わせて、窓や戸を開けて避難出口の確保も忘れずに。身の安全の確保ができたら、ラジオやスマートフォンで災害情報や避難情報を確認しましょう。また、避難する際にはブレーカーを落とすのも忘れないようにしてください。
災害に備えた備蓄品
大規模な地震が発生した後、数日間はガスや電気の供給が止まり、食糧や飲料水の確保が困難になる可能性があります。普段から、最低でも3日分の食糧や飲料水を用意しておくようにしましょう。赤ちゃんがいる場合は、粉ミルクの備蓄もお忘れなく。
・貴重品(現金、保険証、身分証明書など)
・電話帳(アドレスブック)
・携帯電話、ラジオ
・懐中電灯
・タオル、下着類、予備メガネ
・ティッシュ、トイレットペーパー
・救急医薬品や常備薬
・予備の電池 など
家族との取り決め
災害発生時は必ずしも家族が一緒にいるわけではありません。いざというとき互いに安否確認ができるように、事前に取り決めをしておくことが重要です。また、災害時には携帯電話が不通になることも考えられるので、安否確認の方法は必ず複数用意しておきましょう。実際に災害が起こってから慌てることのないように、日ごろから自宅の安全や避難場所の確認、備蓄品の点検などを定期的に行い、家族間でも防災に対する意識を共有できているといいでしょう。
また、日本看護協会では都道府県の看護協会と連携し、被災地へ災害支援ナースを派遣する看護支援活動を行っています。災害支援ナースとは、事前登録した看護師が、災害発生直後に医療救護所で医師とともにトリアージや手当てなどの活動を行うもの。
大災害では多くの人たちの心や身体のサポートが必要となりますので、登録を検討してみるのもいいかもしれませんね。
登録には必要な要件がいくつかありますので、登録前に日本看護協会ホームページを確認しておきましょう。
■日本看護協会 災害支援ナースについて https://www.nurse.or.jp/nursing/practice/saigai/
文:看護師/カウンセラー 坂口千絵