• 2020年1月17日
  • 2021年11月16日

国試対策の理想的なスケジュール

 

看護師の国試勉強に限ったことではありませんが、どれだけがんばって対策を練っても、それが間違った方法だと、なかなか成果があがらないもの。「合格」という目標にたどり着くには、正しい対策の方法を知り、効率的に実力を高めていくことが大事です。そこで今回は、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師として、長年、セミナー講師や看護学校の非常勤講師を務める原田高志さんに、「国試対策の理想的なスケジュールと効果的な勉強法」について教えてもらいました。前編では、看護学校入学時から国家試験までの理想のスケジュールを紹介しますので、「いまの自分は、何をするべき時期なのか」をきちんと理解し、実践していきましょう。

普段の生活に国試対策を組み込もう(入学時~国試1年前まで)

この段階で私がすすめたいのは、普段の科目試験の勉強にも「要点集」を使う方法です。国試に出やすい要点がまとまっているということは、科目試験にも出やすいといえます。この方法なら科目試験の点数も上がりますし、確実におさえたい重要ポイントが書かれた要点集は本当に心強い武器になります。3、4年間使うと、情報が少し古くなってしまいますが、内容の大半は変わらないので、別の書籍や資料で直近の1、2年で起こった変化をおさえておけば、国試対策に影響はないと思います。

また、国試アプリを毎日5~10問ずつ解くのもおすすめです。この習慣を身につけるメリットは、隙間時間を有効に使えること。国試本番まで日にちがあると、なかなか問題集に取り組む気にはなれないと思います。でも、就寝前や待ち合わせの時間など、隙間時間にできる勉強法を持っておくと、他の学生より早く、そして楽に一歩目を踏み出すことができます。

そしてもう一つ、必修問題対策になることも大きなメリットといえます。必修問題には、内容を理解して解くタイプの問題より、数値や事実を暗記するタイプの問題が多く見られます。暗記タイプの問題は、短期間で対策するのが難しいため、「あ、これはこの前も見た」と情報を脳に定着させることが大事。それには問題を繰り返し解くのがいちばんです。毎日5問解くことを1年間続ければ、模擬試験240問を7回半繰り返したことになり、毎日10問なら15回繰り返したことになります。そうすることで、しっかりと記憶が定着するほか、国試前に必修問題のために使う勉強時間を省くこともできます。

まずは土台を固めよう(国試1年~3ヵ月前まで)

国試は、本当に多くの情報量を覚え、理解する必要があるため、要点集と問題集の攻略がカギといえます。要点集については、国試本番までに3回は繰り返し読むようにしましょう。まだ知識が少ない中で1回目を読むと、わらない内容の方が多いと思いますが、気にする必要はありません。短期記憶から長期記憶に定着させるコツは、とにかく繰り返し読むこと。繰り返し入ってくる情報があったとき、海馬は「何度も入ってくるから大切な情報に違いない!」と認識し長期記憶に保存するのです。1回目は、「理解しよう!」と構えすぎないで、「さらっと目を通す」くらいの気持ちで取り組みましょう。不思議なことに、3回目は本当に短い時間で読めることを実感するはずです。

問題集については、好きな分野からやる方法でも、1問目からやる方法でもいいと思います。「模擬問題の復習」や「過去の国試問題」、「予想問題」などいろいろな種類がありますが、それぞれの特徴をしっかりと頭に入れながら進めましょう。過去の国試問題は、難易度が同じくらいに設定してあるので、勉強の深さが深すぎたり、浅すぎたりすることを防ぐことにもつながります。ただし、出題基準が107回から変わっているので、それ以前の過去問は出題頻度という点では少しずれてしまいます。

模擬問題や予想問題は製作した会社によって難易度が違うので、国試の過去問と比べながら、自分が使っている問題集が難しいのか、簡単なのかを確認しておく必要があります。比較的簡単な問題で自信を付けるのも「あり」かもしれませんが、実は少し難しくて、解説が詳しく書いてある問題のほうがおすすめ。練習で力を付けることができるうえに、理解に必要な情報を調べる時間を短縮することができます。

焦らず計画的に進めていこう(国試3ヵ月前~1、2週間前)

実習などで勉強があまり進んでいない学生さんの中には、「国試3ヵ月前から勉強を始めよう」と考えている方もいるかもしれません。その場合、何から手を付けて良いのか、時間は足りるのかなど、焦りや不安を感じてしまうこともあると思いますが、本番まで日にちがないからこそ、本気で勉強に集中できるともいえます。まずは、本番までに要点集や問題集を何回くらい繰り返すかを決めることから始めてみてください。3ヵ月で問題集6冊を1回ずつやろうと思えば、シンプルに6×240÷90日=1日16問という計算です。といっても、実際には勉強ができない日もあれば、休みで多くできる日もあるでしょう。これはあくまで目安として考えて、あまり自分を追い込まないようにしてください。大切なのは、自分で計画を決めて、自分でペースを調整していくことです。

国試12週間前は、余裕がある方以外、新しい問題集に手を広げてはいけません。問題集の冊数をあえて絞り、解説を読む作業も含めて3回繰り返すことを目標にしてもらいたいと思います。国試はプール制ですし、毎年出題される主な範囲は変わりません。「模擬テストの点数が上がらない」と焦っている人こそ、出題頻度の高い範囲を繰り返しおさえる方が効率的です。

国試の前日は、勉強をせずしっかり休もう

国試前日には頭を切り替える必要があります。国試までは知識を増やすことに集中してきましたが、当日は持っているパフォーマンスをいかに発揮するかを意識してください。もし、200点取れる実力があっても、当日の体調やメンタル面が不安定で8割の実力しか発揮できなれければ、結果は160点となってしまいます。夜型生活になっている方は、数日前から朝方の生活に修正しておくことも大事。この日まで頑張った自分を信じて、体調を整え、忘れ物がないように会場に向かいましょう。合格することを願っています。

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