• 2021年4月1日
  • 2021年11月16日

感染拡大地域への「まん延防止措置」適用を早期に~厚労省職員の深夜会食に苦言も、日本医師会長

 

日医・中川会長が3月31日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症患者が増加している状況について所見表明。

首都圏に先行して緊急事態宣言を解除した近畿3府県を中心とした各地で感染の再拡大の傾向が出てきている現状について「確実に第4波に向かっている」と危惧し、感染拡大の傾向にある地域では「まん延防止等重点措置」の早期適用が必要だと主張しました。

また、厚労省老健局の職員23人が深夜まで飲食していた問題について、「第3波が収束しない中での解除の意味が理解できなかったのかと極めて遺憾」と厳しく非難しました。

日本医師会の中川俊男会長は31日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染症患者が増加している状況について、所見を表明した。厚生労働省の職員らが、飲食店などへの時短要請が続いている東京都内で深夜まで会食していた問題にも触れながら、「緊急事態宣言」が全面解除されたことによる影響を危惧。

感染拡大の傾向にある地域では「まん延防止等重点措置」の早期適用が必要だと主張した。【吉木ちひろ】

<日医の中川会長(31日、日医会館)>

中川会長は会見の冒頭、厚労省老健局の職員23人が深夜まで飲食していたことが明らかになった問題について、「第3波が収束しない中での解除の意味が理解できなかったのかと極めて遺憾」と非難した。

その上で、「厚生労働省をはじめ、政府には徹底した感染者の抑制こそが終息への近道であることを改めて理解してほしい」と訴えた。また、問題について、「同じ厚生労働省内でさえも、コロナに対して大きな温度差」があり、これが自粛徹底の難しさを示すものであるとも指摘。

改めてワクチン接種が円滑に進む見通しが立つ「あと半年」程度の感染防止策の徹底を求めた。

また、緊急事態宣言を首都圏に先行して解除した近畿3府県を中心とした各地で感染の再拡大の傾向が出てきている現状について、「確実に第4波に向かっている」と述べ、さらに、これまでの「第1波」から「第3波」までの感染状況について、「ずっと一連のものだったのではないか、これまで実は、本格的に押し返しきったことが一度もなかったのではないか」との見解を示した。

こうした見地から、中川会長は、感染拡大が見られる地域では、早期に「まん延防止等重点措置を適用するべき」と主張。

第4波が本格化した場合には、緊急事態宣言の再度の発令も視野に入れなければならず、その際には、基本的対処方針でも宣言の解除は今回よりも厳しい「ステージ2」と明確化するなど見直すべきとした。


出典:医療介護CBニュース