新型コロナワクチン接種をめぐり、政府が「接種するかどうかは最終的に個人の自由意思に委ねる」と説明している中、内科だけにとどまらず全科において患者さんから「先生、私はワクチンを打ってもいいのですか?」という質問が相次いでいるのだそうです。
今回の日本医事新報【識者の眼】では、細井雅之氏(大阪市立総合医療センター糖尿病内分泌センター糖尿病内科部長)が、患者さんの判断材料にするために、新型コロナワクチン(ファイザー/ビオンテック)に関する有効性、副反応のデータを一つのパネルにまとめつつ説明しています。ぜひ、御覧ください。
近、内科だけにとどまらず全科の先生で、患者さんからの質問で一番多いのは、おそらく「先生、私はワクチンを打ってもいいのですか?」と、新型コロナワクチンのことであると思います。
政府は、「接種するかどうかは最終的に個人の自由意思に委ねる」と説明しています。「不安は自由のめまいだ」(キルケゴール)と言うように、患者さんは自由と言われると、ますます不安になります。
患者さんの判断材料にするために、新型コロナワクチン(ファイザー/ビオンテック)に関する有効性、副反応のデータを一つのパネルにまとめてみました(表)。
このワクチンは発症者を95%低減し、重症者も89%低減すると報告されています。
日本の感染者数に当てはめると100万人当たり感染者は3700人が185人になり、死亡者は70人が8人に抑えられる計算になります。特に、糖尿病患者さんは、新型コロナウイルス感染症に罹患してしまうと死亡率は2.12倍と重症化しやすいです。
自分のためだけでなく、他の人を守るためにも、ぜひ、問題がなければワクチン接種を受けていただきたいと思っています。
気になるアナフィラキシーですが、100万回当たり81件と多い気がしますが、ペニシリンでのアナフィラキシーは4590人と報告されており、不安感は軽減するのではないでしょうか?
細井雅之(大阪市立総合医療センター糖尿病内分泌センター糖尿病内科部長)[新型コロナウイルス感染症]小倉和也
出典:Web医事新報