【識者の眼】「飲食の場面におけるコロナの感染対策」和田耕治

ナースぷらす 編集部からのコメント

緊急事態宣言の対象地域における飲食業界は大打撃を受けています。今回の日本医事新報【識者の眼】は、そんな中、飲食事業者の方と「今後の感染対策のあり方について」議論を行った和田耕治氏(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授)が「飲食の場面におけるコロナの感染対策」と題して寄稿しています。

和田氏は、やがて宣言が解除された後に、感染対策が強化されないまま飲食店の営業が再開してしまうことを懸念。豊潤かつ多種多様な日本の外食文化を守るためにも、ここは意識改革が必要なのかも知れません。ぜひ、お読みください。

緊急事態宣言の対象地域では飲食業界の方は大きな影響を受けておられます。そのなかで、飲食の事業者の方と共に、今後の感染対策のあり方について議論しましたので、その要点を共有させていただきます。

○事業者によるお店のハード面、そしてお客さんの協力も得てのソフト面の感染対策が必要。

○店内で長時間の会話や歌唱、飲酒を伴う店舗が特にリスクが高い。こうした店舗では、接触感染、飛沫感染だけでなく、「マイクロ飛沫感染」と呼ばれる、長時間浮遊する微細な飛沫への対策が必要。具体的には、空調などにより同席者だけでなく、店内にも広がりえる感染経路に対して対策を施す。

○マイクロ飛沫感染に対しては、換気の確保が必要。二酸化炭素濃度測定器を用いて店内をモニターし、一定レベル(目安=1000ppm)を超えないように換気や収容人数を調整する。特に、店舗の奥など換気がしづらいところを特定して、換気を確保する。

○飛沫感染に対しては、アクリル板などの遮蔽物を空調の流れと目的を考慮しながら、設置を行う。また、お互いに距離を確保する。特に、違うグループとの距離を。

○接触感染に対しては、手洗いの励行や、飲食後のテーブルの拭き取りによる消毒がある。

○お客さんにも積極的な感染対策を実践することが求められる。例えば、

1. 体調が少しでもおかしいなら参加しない・させない

2. 声が大きくならないようにする(店はBGMの音量を今までより小さくするのも一案)

3. マスクをできるだけする

4. 長時間、滞在しない(2時間以内を目安)

5. 少人数(家族や普段一緒にいる人でなければ最大4人まで)

6. 様々な人と、頻繁に会食することは避ける

7. お店の感染対策に協力する

○感染対策が不十分な店舗が地域にあることについては、自治体による指導や協力などを行える体制が必要。将来的には店舗の外部評価や認証もありえる。

○なお、会話が最低限であり、滞在時間が短い飲食店は感染拡大のリスクは比較的小さいが、飛沫感染と接触感染への対策を行う。

日本の外食文化はとても豊かで、私自身も本当に大好きです。やがて、宣言が解除されますが、感染対策が強化されずに飲食店の営業が始まると、数カ月後には再び飲食の場面が感染リスクの高い場面として取り上げられる可能性があります。

市町村や商店街の単位で連携して、感染が広がりにくい地域作りが早急に求められています。

和田耕治(国際医療福祉大学医学部公衆衛生学教授)[新型コロナウイルス感染症]

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