【識者の眼】「新型コロナのmRNAワクチンと女性」柴田綾子

ナースぷらす 編集部からのコメント

日本国内でも新型コロナウイルス感染症ワクチン接種の準備が着々と始まっています。しかしこのワクチン、複数の種類があり、一般人にはまだまだ分からないことだらけで、患者さんから説明を求められても、うかつには答えられないことばかりです。

今回の日本医事新報【識者の眼】では、柴田綾子氏(淀川キリスト教病院産婦人科副医長)が、①ワクチンついて ②一般女性について ③妊活中の女性について と女性の体とワクチンについての情報に特価しつつ、分かりやすく説明してくれています。ぜひ、お読みください。

日本でも新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)のワクチン接種の準備が始まっています。今回は、日本で接種が準備されているファイザー社のmRNAワクチンについて2021年2月8日現在での情報をご紹介いたします。

1. ワクチンついて

ワクチンは生理食塩水で希釈し21日間隔で2回接種の筋肉注射です。日本での接種の順番は①2月ごろより医療従事者、②4月より65歳以上の高齢者、その後に③基礎疾患のある方、④高齢者施設で働いている方、⑤一般の方、で検討されています。このワクチンにはアジュバントは使用されておらず、mRNAワクチンは接種された人自身のDNAには影響を与えません。

2. 一般女性について

ワクチンの2回接種によって症状のあるCOVID-19の発症リスクを90%以上減らし、かつ重症化の予防ができると報告されています。

体の中で抗体ができる時の副反応(16〜55歳)として、接種部位の痛みや腫れ(83%前後)、倦怠感(59%)、頭痛(52%)、発熱(16%)などがありますが、数日で自然に改善します(Polack FP,et al:N Engl J Med.2020;383:2603-15.)。

アメリカでは2020年12月11日のFDAの認可から12月23日までに189万回接種(男性65万回、女性120万回)され、有害事象の報告は0.2%でした。そのうち21件にアナフィラキシー様の症状を認めました(リスクは100万回接種あたり11.1件)。ワクチンが直接の原因となり死亡された方はいません。

注意が必要なのはポリエチレングリコールにアレルギー反応のある方です。ワクチン接種当日に発熱や風邪症状がある場合は接種延期が推奨されます。接種後は、15〜30分は慎重に体調を経過観察する必要があります。

ワクチン接種の前に妊娠検査は不要です。

3. 妊活中の女性について

mRNAワクチンは投与後に体内で分解されるため、卵巣機能や卵子、体のDNAへ悪影響を与えず、妊娠前/妊活中の方も安全に接種できるとされています。mRNAワクチンの接種後に長期の避妊は不要です。

アメリカではワクチン接種後に1万5000人の方が妊娠されており、イギリス産婦人科学会もCOVID-19のワクチンで不妊症になるという報告や機序は確認されていないと発表しています。日本産婦人科感染症学会/日本産科婦人科学会や日本生殖医学会の資料もご参照ください。

参考文献

▶日本産婦人科感染症学会、日本産科婦人科学会「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する方へ」
[http://www.jsog.or.jp/news/pdf/20210127_COVID19.pdf]

▶日本生殖医学会「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する日本生殖医学会からの通知〜海外の動向について〜」
[http://www.jsrm.or.jp/announce/213.pdf]

柴田綾子(淀川キリスト教病院産婦人科副医長)[新型コロナウイルス感染症]

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