東京五輪で外国選手ら訪れ「感染症リスク高まる」 都が「危機的事態」の判断基準提示

ナースぷらす 編集部からのコメント

開催を来年に控えた2020年東京オリンピックでは、諸外国から選手団や観客がたくさん訪れることから感染症の発生リスクが懸念されます。看護の現場で感染症の「輸入症例」が相次ぐ危険性もありますので、東京都が公表した「安全・安心の確保のための対処要領」(第2版)を確認するなどして感染症による非常事態のリスクに備えましょう。
東京都「東京2020大会の安全・安心の確保のための対処要領」
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/04/16/13.html

東京オリンピックに関する「安全・安心の確保のための対処要領」(第2版)

東京都は、2020年の東京オリンピック(五輪)に関する「安全・安心の確保のための対処要領」(第2版)を公表した。感染症や災害などによる「危機的事態」への具体的な対応を記載。感染症に関しては、「諸外国から選手団をはじめとする大会関係者、観客らが東京を訪れ、国内からも多くの人々が集まるため、様々な感染症の発生リスクが高まる」としている。【新井哉】


感染症の発生動向を巡っては、海外から持ち込まれるケースが後を絶たない。例えば、麻疹(はしか)については、現在、海外で感染し、帰国後に麻疹と診断された「輸入症例」の報告が相次いでいる。東京都では患者全体の2割近くを占めており、千葉県でも過半数の患者に海外渡航歴・滞在歴があった。


17年には、麻疹の流行国から来日した外国人グループが、約1カ月間の国内移動中に麻疹を発症。宮城県大崎市内の宿泊施設を訪れたため、患者と接触した職員に対し、ワクチンの緊急接種を行う事態に発展した。移動先は12都府県に及び、推定接触者は特定できただけでも700人以上いたという。


都が公表した対処要領には、都民と五輪期間中に訪れる人の生命・健康を守り、生活や社会機能を維持することは「開催都市の責務である」とし、「危機的事態」に至った場合でも、速やかに被害の拡大を防止するための対策を講じる方向性が示されている。


具体的には、感染症の発生・拡大によって「危機的事態」となった場合、▽競技の中止・順延▽選手・関係者、観客、地域住民の安全確保を図る対策▽被害拡大防止のための広域的・組織横断的な対応―を検討する必要があるとしている。


「危機的事態」の判断基準も示している。例えば、エボラ出血熱が選手村・競技会場、繁華街などの人が集中する地域で発生した場合は「大会運営に支障が生じ、競技の順延等を検討する必要がある」としている。


特に罹患した場合に重症・重篤となる感染症や、感染力が強く急速に広がる恐れのある感染症に関しては、「危機的事態に繋がるリスクがより高くなると考えられる」と指摘。五輪期間中は、感染症の発生状況を把握するサーベイランスや病原体検査、感染症指定医療機関における医療提供などを「確実に実施することが、対策の鍵となる」といった見解を示している。


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