【識者の眼】「組織を超えた看護師の連携で24時間体制の構築を」齋藤訓子

ナースぷらす 編集部からのコメント

2020年度診療報酬改定において、医療機関からの訪問看護について「訪問看護・指導体制充実加算」が新設されました。
病院や診療所において、別の病院や診療所、訪問看護ステーション看護師等の連携により、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保していることと、6つの要件のうち2つ以上をクリアしていることが条件となっています。今回の「識者の眼」では、公益社団法人日本看護協会の齋藤訓子副会長が、その現状と見直すべき点などについて説明しています。

ようやく梅雨が明けました。もくもくと夏の雲が空に広がっています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19) の感染者数が増加している中、炎天下で訪問看護サービスを提供している看護師たちは本日も感染予防対策と日焼け止め対策をしながら、ご自宅を回っていることと存じます。敬意を表します。

さて、前回(No.5021)、在宅医療の資源がまだまだ十分とは言えないこと、大都会では訪問看護ステーション数が伸びてきたけれど、同時に休止・廃止も起こるという新たな課題が生じていること、しかし、市町村単位だと訪問看護ステーションの設置がないところもあり、資源の乏しい地域において過不足のない在宅医療提供体制を構築するには、病院・診療所に所属する看護師の訪問看護をもっと推進すべきと述べました。

2020年度診療報酬改定において、医療機関からの訪問看護について「訪問看護・指導体制充実加算」が新設されました。病院や診療所において、別の病院や診療所、訪問看護ステーション看護師等の連携により、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保していることと、以下の6つの要件のうち2つ以上クリアしていることが求められます。


①専門性の高い看護師による同行訪問(緩和ケア、褥瘡、人工肛門・人口膀胱ケア)5回以上/年

②小児への訪問看護 25回以上/年

③難病等の患者への訪問看護 25回以上/年

④ターミナル家に係る訪問看護 4回以上/年

⑤退院時共同指導の実施 25回以上/年

⑥解放型病院での共同指導の実施 40回以上/年


 

在宅療養支援病院・診療所では、訪問看護ステーションとの連携により24時間のサービス提供体制を組んでおりますが、在宅療養支援病院・診療所以外の医療機関では人員確保の困難さ故に24時間体制ができていません。
さらに病院併設の訪問看護ステーションは病院併設なしの訪問看護ステーションに比較して、緊急対応や重度の利用者の受け入れ割合が高い状況です。

つまり、訪問看護ステーションからすれば、病院と連携することで急変が起きても大丈夫というさらなる安心を保証することができると考えます。今回新設された「訪問看護・指導体制充実加算」で、まずは医療機関等の所属組織を超えた看護師間の連携体制を構築し、地域にいる看護人材を有効に活用しつつ、地域で暮らすその人の最期まで療養の支援ができるよう、看護師の所属組織に対しては様々な規定等の見直しをお願いしたいと考えています。

齋藤訓子(公益社団法人日本看護協会副会長)[在宅医療]

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