有床診入院基本料の届け出、1年間で4.3%減~中国四国では6.0%減、ミーカンパニー調べ

ナースぷらす 編集部からのコメント

医療データベース「ミーカンパニー」の調査によると、有床診療所入院基本料の届け出数が全国ベースで減少(2019年10月時点)しているそうです。特に中国四国地方での減少が目立っており、その背景には有床診療所数の減少があります。2018年度の診療報酬改定で国は「地域包括ケアモデル」となる、有床診療所支援のために介護サービスを提供する施設を対象に緩和措置(点数が高い有床診療所入院基本料1-3の要件)を取りましたが、その効果はまだ目に見えるものとはなっていない模様です。

有床診療所入院基本料の2019年10月時点での届け出が、前年同月からの1年間に全国ベースで差し引き4.3%減少したことが、医療データベース業の「ミーカンパニー」の調べで分かった。地方厚生局が管轄する7つのブロック別に推移を見ると「中国四国」での減少が特に目立ち、6.0%の減だった。分析を行ったミーカンパニーのアナリスト久松正子氏は、「有床診療所は、地域の医療と介護ニーズの橋渡しという大切な役割を担っている」と話している。【兼松昭夫】

ミーカンパニーが開発した医療・介護のデータベース「SCUEL」(スクエル)で有床診療所入院基本料の届け出数を月ごとに追跡した。その結果、全国ベースでの届け出は19年10月現在、5,116カ所で、前年同月の5,348カ所から差し引き232カ所(4.3%)減少していた。

7つのブロック別では、「北海道」から「九州」までの全てでこの1年間に届け出が減少し、「中国四国」(鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知の9県)では6.0%の減。ほかは「北海道」が5.8%、「東北」(青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島の6県)が5.0%の共に減などだった。

「中国四国」の9県のうち島根では、「益田医療圏」(益田市、津和野町、吉賀町)、「雲南医療圏」(雲南市、飯南町、奥出雲町)、「隠岐医療圏」(隠岐の島町など3町1村)から有床診療所入院基本料の届け出がない。

また「中国四国」以外では、「北海道」で5.8%、「東北」で5.0%届け出が減少し、北海道では「北空知医療圏」(深川市など1市4町)から届け出がなかった。

厚生労働省の「医療施設動態調査」(速報)によると、有床診療所は19年9月末現在、全国に6,644カ所あり、18年9月の6,934カ所からは290カ所(4.2%)、09年9月末の1万1,073カ所からは10年間で4,429カ所(40.0%)の減。それに伴い、有床診療所入院基本料の届け出の減少が全国ベースで急激に進んでいることが裏付けられた。

医療と介護サービスを併せて提供する「地域包括ケアモデル」の有床診療所を支援するため、18年度の診療報酬改定で国は、介護サービスを提供する施設を対象に、点数が高い有床診療所入院基本料1-3の要件を緩和した。

20年度診療報酬改定の検討材料にするため中央社会保険医療協議会が行った医療経済実態調査によると、収入に占める利益(損失)の割合を示す「損益率」は、18年度には有床診療所(103施設)が平均8.3%(17年度は10.2%)、無床診療所(1,601施設)が13.5%(17年度も13.5%)の共に黒字だった。

■オンライン診療料は医療機関1,326カ所が届け出

一方、情報通信機器を使ってオンライン診療を行った際に算定する「オンライン診療料」は19年10月現在、全国の1,326カ所の医療機関が届け出ていた。オンライン診療料は18年度の診療報酬改定で新設された。ミーカンパニーの調べでは、それから半年後の同年10月時点での届け出は1,049カ所、1年後の19年4月時点では1,210カ所だった。

オンライン診療料は現在、過去1年間に6回以上通院した患者にしか算定できないが、厚労省は、20年度の診療報酬改定でそうした取り扱いを見直す方針を示唆している。

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