看護師長の選考、「明確な基準なし」4割超- 日看協が調査

ナースぷらす 編集部からのコメント

病棟をとりまとめる役割を担い、一般企業でいえば課長クラスとなる、看護師の管理職“師長”。

日本看護協会の調査によると、看護師長選出の際に明確な基準がない病院が4割に上ることがわかりました。小さい病院ほどその傾向が強かったそうです。

また、看護師長が役割を発揮するための教育や支援体制が不十分なことも浮き彫りになりました。

看護業務が多岐にわたるため、推薦されても躊躇するという声もあり、看護師職能委員会Iの川本利恵子委員長は「支援体制や教育体制、選考基準など課題がある」と話しました。

日本看護協会(日看協)が各都道府県の看護協会を通じて実施した調査で、新たな看護師長を選考する際の明確な基準がない病院が4割超に上ることが分かった。9日、千葉市内で開かれた日看協の全国看護師交流集会で報告された。【坂本朝子】

同調査は、日看協の看護師職能委員会I(病院領域)の活動の一環で、医療提供体制が変化する中で看護師長の役割が重要性を増す中、看護師長の役割の現状把握や課題を探ることを目的に行われた。

各都道府県で病床規模の異なる病院(200床未満、200-399床、400床以上)を選び、昨年の5月から8月にかけ、情報収集シートに回答してもらう方法で実施。143病院から回答を得た。

それによると、看護師長の昇格に関しては(複数回答)、「看護師長へ登用する要件を明示している」(87.4%)、「看護師長への昇格に関する規則がある」(65.7%)と、基準があると回答した病院が多かったが、「選考委員会を設置している」と回答した病院は38.5%で、4割に満たなかった。

一方、看護師長の選考については、「選考試験がある」が28.0%、「院内基準に基づき選考している」が25.2%で、基準があると回答した病院は少なく、41.3%が「明確な基準はなし」と回答。病床規模が小さい病院ほど基準を設けていない傾向があったという。

そのほか、看護師長に対する教育については、9割以上の病院で定期的な教育や研修を実施していると回答したものの、「看護師長になる前の準備教育」(39.2%)や「管理能力の認証制度・マネジメントラダー」(20.3%)があると回答した病院はそれぞれ少なく、看護師長が役割を発揮するための教育や支援体制が不十分であることが浮き彫りになった。

看護師職能委員会I(病院領域)の川本利恵子委員長は、「看護師長の支援や教育体制、選考方法に課題があることが導き出された」と説明。さらに、看護師長が担っている役割や業務が多岐にわたるため、看護師長になることを躊躇する看護師もいるという声があるとし、今年度も引き続き、看護師長の役割に関する情報収集や課題発見に取り組んでいくとした。

医療介護CBニュース―2016年06月10日 16時00分掲載

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