新型コロナで44%が感染対策「大幅強化」日本医事新報社6月アンケートより

ナースぷらす 編集部からのコメント

日本医事新報社が新型コロナウイルス感染症の第2波・第3波に備えて情報共有すべく、「院内の感染リスクを抑えるためにどのような工夫をされているか?」「その実践例は?」などのテーマで読者アンケートを実施しました。すでに86%が感染リスクを減らす対策を進めていることが判明しました。
「大幅に強化した」という方の実践例を見ると、手指等の消毒、発熱患者の隔離を徹底している事例が多く見られました。一方で物理的制約や職員間の意識のばらつきが対策強化のネックになっているという声も挙がっています。

<【6月読者アンケート】新型コロナ感染拡大を受け、院内感染対策を強化したか?>

新型コロナウイルス感染症の第2波・第3波に備えて情報共有すべく、6月のアンケートでは、読者の皆さんが院内の感染リスクを抑えるためにどのような工夫をされているか、実践例をお寄せいただきました。

新型コロナ感染拡大を受け、院内感染対策を強化したかお尋ねしたところ、44%が「大幅に強化した」と回答。「ある程度強化した」(38%)、「既に十分な対策をとっていた」(4%)と合わせて86%の方が感染リスクを減らす対策を既に進めていました。

「大幅に強化した」という方の実践例を見ると、手指等の消毒、発熱患者の隔離を徹底している事例が多く、「クリニックの玄関に次亜塩素酸ナトリウム溶液入りのパッドを用意し、靴底の消毒を行う。受診直前にコップ3杯でうがいをしていただき、口腔内のウイルス量を低減する試みを施行」(北海道・開業医)、「手指衛生の徹底(研修医から部長まで)、できていない科は診療停止も含めたペナルティあり」(福岡・勤務医)など、クリニック・病院とも様々な工夫をされていることがわかりました。

一方で、「狭い空間でできることが限られている」(和歌山・開業医)、「なかなか全職員の足並みが揃わない」(岡山・臨床検査技師)など、物理的制約や職員間の意識のばらつきが対策強化のネックになっているという声もありました。

以下、現場から寄せられた主な実践例を紹介します。ぜひ対策の参考にしてください。

■院内体制

●毎朝の検温、集合カンファレンスの延期など。(石川・勤務医)

●ゾーニング、建物に入る前の体温測定とアルコール消毒、マスク着用を徹底している。(京都・勤務医)

●発熱外来の設置。面会禁止。会議の中止。手指衛生の徹底。(石川・勤務医)

●院内感染対策はほぼできているが、外来でのコロナ疑い患者への対応が不十分。発熱患者を院内の救急受付で登録してから陰圧室へ移動させているが、院外に初期対応の場所を確保しておかないと、もし陽性患者が来てしまったら院内感染を引き起こすことになる。(神奈川・勤務医)

●職員一人一人の意識向上、標準予防策ほか感染対策ルールの徹底(なかなか全職員の足並みが揃わない)。(岡山・臨床検査技師)

●発熱患者はいったん個室へ収容しCOVID-19 PCRを行っている。手術前や気管支鏡検査前も同様にPCRを行っている。(神奈川・勤務医)

●日々のCOVID-19入院患者の診察の際、不本意なところはあるが、ナースコールやタブレット端末を用いて接触時間の短縮やPPE(個人防護具)の節約を行った。(福井・勤務医)

●新型コロナウイルス感染症対策のマニュアルを作成。病院独自のフェーズ対応を決定し、周囲の流行状況から適宜フェーズのアップダウンを行っている。(大分・勤務医)

●待合室の座席を減らす。消毒用エタノールの設置。ビニールカーテンの設置。(静岡・薬剤師)

●北九州市の基幹病院で勤務しているが、院内の規定で37℃以上の患者さんはすべてコロナ疑似症として対応することとなった。しかし個室が足りないため、実際には37℃前半であれば一般診察室で対応することも多くある。人手、個人防具などの使用で時間とお金がかかり大変だ。(福岡・勤務医)

●①テナント共用トイレを患者・スタッフが使用する際、便器タブを0.1%次亜塩素酸ナトリウム溶液にて消毒するようにし、個々の患者などに溶液を持たせてコロナ感染対策を実行。②クリニックの玄関に次亜塩素酸ナトリウム溶液入りのパッドを用意し、靴底の消毒を行う(養鶏場における鳥インフルエンザ対策と同様)。③受診直前にコップ3杯でうがいをしていただき、口腔内のウイルス量を低減する試みを施行。(北海道・開業医)

●一般患者と発熱患者の診察時間帯を分けた。予約数を減らして待合室での待ち人数を減らした。発熱外来に関わるスタッフ数を減らした。受付窓口に感染防止シートを設置した。待合室の雑誌等を撤去した。(静岡・開業医)

●少しでも疑わしい患者さんの個室隔離ならびに職員の感染防御対策の実施。(兵庫・勤務医)

●感染成立は「感染源~感染ルート~人」の基本を踏まえること。すべてが感染源となりうるとリスクマネージメントを怠らないこと。検温して感染源となる方をふるい分けする。同時に、手洗いとうがいをしてもらう。マスク着用、手袋使用、診察時は今回の感染対策で市民権を得たフードを臨機応変に使用する。ナース、医師、検査技師、事務職も午前と午後で白衣を更新する。室内、廊下、ドアノブなど換気に注意して清拭する。(鳥取・勤務医)

●訪問事業所なので、感染拡大のピーク時は特に直行直帰、合間は自宅待機などの対応をとっていた。スタンダードプリコーション(標準予防策)の徹底。(東京・理学療法士)

●診療開始時間を早めにして混雑を避ける。発熱の人と一緒に待たなくていいように、できるだけ工夫。発熱の人の再診を電話再診にする。職員の勤務時間を少なくする(支払いは維持)。(京都・開業医)

●患者・職員を含めて出入口を1カ所にした。その上で、全例に非接触型体温計で体温測定、発熱者は院内に入る前に別建物で再度発熱・問診のチェックを行う。面会は全面的に禁止にしていたが、現在は住所、旅行歴等を顧慮して家族お一人だけ面接できるようにしている。健診、透析も完全に中止としていたが、健診だけは6月より再開した。1時間ごとにグループ分けして待合室が密にならないようにしている。救急現場では患者をトリアージして通常の救急患者と交わらないようにしている。陰圧室の一つを外来に設けている。(山口・病院開設者)

●熱の有無にかかわらず新入院の方はまず個室に入っていただき、2週間してから総室に移ってもらっている。(大阪・勤務医)

●限られた待合室に長居することがないよう、呼び出しシステムを導入し、院外で待機していただいている。(兵庫・勤務医)

●小児科なので診療が終わった大きいお子さんは車の中で待ってもらう。ワクチン接種後も車の中で待ってもらう。待合室の様子や手すりまで2時間ごとにヒビデン等で拭いている。(新潟・開業医)

●入院患者への面会禁止。外来ゾーニング。アクリル板を受付に設置。問診表を変更。(東京・勤務医)

■消毒・除菌

●洋式便器の消毒。使用前後に必ず消毒する。皮膚の接触するところはすべて。(東京・勤務医)

●WHOが定める手指衛生の5 momentsにおける医療従事者の実施遵守率を、現在の50~60%から90%以上にするよう心がけることで、院内感染の発生も減るのではないかと期待している。(愛知・勤務医)

●光触媒の除菌機を5台増やして7台にした。発熱者は車内で待機させ携帯通話で問診する。(群馬・開業医)

●聴診器の消毒。細かいくらいのアルコール消毒。(愛知・勤務医)

●診察室や手すりの消毒。(鹿児島・勤務医)

●手指衛生の徹底(研修医から部長まで)、できていない科は診療停止も含めたペナルティあり。(福岡・勤務医)

●次亜塩素酸ナトリウムでの清掃の徹底。職員の健康チェック。(神奈川・看護職員)

■物品・設備

●①換気用の窓の設置、換気扇(扇風機で代用)の設置、手消毒液設置場所の増設、②防護衣、フェイスシールド、ゴーグルなどの購入。(兵庫・開業医)

●換気と水回りの対策を徹底し、耳鼻科特有のネブライザーの環境整備に力を入れた。(岐阜・開業医)

●内視鏡検査の際、これまではゴーグルとマスクだけ着用していたが、さらにフェイスシールドを加えた。クリニックの受付窓口にビニールシートを張った。両者とも「医療用」と名が付くと高価になるので、一般用の商品をホームセンターで調達した。(東京・開業医/勤務医)

●標準予防策の徹底。内視鏡検査でのフェイスシールドあるいはアイグラスの導入。(東京・勤務医)

●もともとインフルエンザ流行期にはマスクを着用、手指消毒をするようにしていたが、今回は通年でするようにし、あわせてゴーグルやフェイスシールドも着用するようにした。医療従事者以外の事務系職員もマスクを着用するようにした。(長崎・勤務医)

●職員の常時サージカルマスク着用を始めた。(北海道・勤務医)

●医療者へのマスク、フェイスガード、手袋などの着用の徹底。食事、更衣室などでもマスクなしでは会話を慎む。いわゆる密の状態を避ける。手洗い、アルコール消毒などの徹底。患者さんたちにも必ずマスクを着用してもらう。咳エチケットもお互いに守る。仕事以外の時間もスタッフはマスク、手洗いなどの感染対策を続ける。周囲の人が感染者である可能性をいつも考えて、常に感染防御を忘れない。(北海道・勤務医)

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